あまり遠くない将来・・・少なくとも10年以内には、消費税が引上げられる可能性があります。
例えば、マンションを購入したいと思っているあなた。 消費税アップのビフォーアフターでは、どのくらい値段が異なるか知っていますか? 今回は、その差についてお話します。

住宅購入をお考えの方にとっては、消費税の引き上げが家計にどう影響してくるのか、気になるところですね。もっとも、「消費税引上げ」の議論については、数年前から言われてきたこともあり「多少の増税はいたしかたない」というような声も出てきているのも事実です。
実際に消費税が上がった場合・・・・
まずは、住宅購入した場合に消費税がどう関わっていくのかを説明します。今回は事業用としてではなく、個人が自己居住用として使用する場合とします。
(1) 消費税の課税対象となるもの
建物の建築代金、不動産業者へ支払う媒介手数料、司法書士・土地家屋調査士への手数料、金融機関に支払う融資手数料、マンション管理組合が収納する場合の駐車場の賃貸料(マンション敷地内の駐車場代は非課税)
(2) 消費税の課税対象とならないもの
個人が自己居住用住宅を譲渡する場合、土地の譲渡、マンションの管理費・修繕積立金、青空駐車場(←何も整備されていない状態)、ローン保証料
では、次に不動産業者に支払う媒介手数料の上限を見ていきましょう。
(本体価格 × 3% + 6万円)× 1.05 ←これが上限となっています
一戸建て購入(土地を購入し、注文住宅を建てる)の場合
非課税 土地(及び課税対象にならない諸経費含む) 2,300万円
課税 建物(及び課税対象になる諸経費含む) 2,000万円
【税抜本体価格】4,300万円、消費税 100万円(2,000万円×5%)、売買総額 4,400万円
上の例の場合、媒介手数料の上限(買主・売主一方から受取る上限)は
(2,300万円 × 3% + 6万円)× 1.05 = 78万7,500円となります。
もし、消費税が5%から8%へ、3%引上げられたらどうなるでしょうか?
(2,300万円 × 3% + 6万円)× 1.08= 81万円つまり、
3%消費税が引上げられることで、媒介手数料は22,500円増えることになります。
また、消費税の課税対象になる金額が、2,000万円ですので、5%だったら、100万円の消費税が、8%になることで、消費税が160万円に、60万円も増額してしまいます。先ほどの媒介手数料も含めて、63万円の出費になってしまいます。同じ家を建てたとしても、単純に63万円も出費がかさんでしまいます。63万円もあれば、かなり立派なテレビや電化製品などを買うことができますよね?
マンション購入時はどうなるでしょうか?
一戸建て購入の場合は、土地いくら建物いくらと表示されていて、分かりやすいと思います。
ところが、マンション購入時には、「販売価格○○○○万」となっており注意が必要です。なぜなら、マンションの場合も敷地部分には消費税は掛からないため、土地と建物の価格内訳が分かりにくいからです。
では、どうやって土地と建物の価格を割り出すかをご説明します。
例えば 販売価格3,600万円(内消費税100万円)の分譲マンションの場合
消費税100万円 ÷ 5% = 2,000万円 ← これが建物価格となります
したがって、
販売価格3,600万円−建物価格2,000万円−消費税100万円→土地価格1,500万円ということになります。
消費税が、5%から8%に3%増加した場合、60万円の消費税が増額になります。そのため、総額3,660万円になります。
では、同じ販売価格でも、消費税が120万円だったとすると・・・
消費税120万円 ÷ 5% = 2,400万円 ← これが建物価格となります
したがって、
販売価格3,600万円−建物価格2,400万円−消費税120万円→土地価格1,080万円ということになります。
消費税が、5%から8%に3%増加した場合、72万円の消費税が増額になります。そのため、総額3,672万円になります。
このように、一戸建てと異なり、マンションは建物のほうが土地よりも高くなることが一般的です。したがって、今後消費税が引上げられると、マンションの場合、どうしても販売価格が値上げされがちとなることが予想されます。
販売価格調整のために、業者が、設備や使用する材料費などを抑えて今までよりもランクダウンされるなんてことはいやですよね。耐震強度はバッチリでも、使用材料も出来ればいいものを望みたいものです。
でも、消費税が引き上げされれば、「チリも積もれば山となる」?
さて、これから住宅購入予定のあなた。一戸建てにされますか? それとも分譲マンションにされますか? 今買いますか? それとも、消費税が上がってから買いますか? 消費税のことも少し頭に入れて考えてみては如何でしょうか?
最後に、消費税は掛かりませんが、マンションを購入した場合には、住んでいる限り別途、共益費・管理費・修繕積立金が掛かりますのでそれもお忘れなく!
つまり、一戸建てと同じ予算でいても、その分だけ余分に掛かるということです。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 山中 崇寛
|