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▼投資信託の初心者の方へ、注意すべきポイント
今回は、投資の初心者、投資信託の初心者の方に、注意してほしいポイントを解説します。
投資信託を始めるタイミング 投資信託をいつ購入しようかと考える場合、2つの視点があります。 1つ目は、過去の株式の値動きなど市場の数値を分析し、今の状況を判断した購入のタイミングです。例えば、高値圏から下落率が40%程度なら底値圏、「今後は上昇していくのではないか」と、予想して購入しようと考えることです。

2つ目は、投資信託を購入しようとする人が、「今が運用効果を得ることができるタイミングなのか」と、考えることです。
人生の中で、定期的な収入があり、貯蓄ができ、目標達成までに15年から20年以上ある時期は、資産を作る時期です。この時期に投資を始めるなら早いほうが効果的で、短期間の小さな値動きに敏感にならなくても大丈夫です。たとえ値下がりしたとしても、取り戻す時間やその後の対策が考えられます。 一方、すでに一定の資産があり、その資産を大切に守りながら育てる時期なら、元本が減ってしまうとその後の生活に不安があります。市場の波が下降傾向の時期に始めるのは、避けた方が無難です。
投資信託を購入し、結果的にチャンスを得られるのは、個人では左右できない市場や経済の動きと、個人的なタイミングが偶然に良い方向に進んだ場合です。購入するときに1つ目の視点だけを気にしても、損をする時も得をする時もあります。個人が資産形成・運用をする場合、将来にわたって希望通りの生活ができ、老後の生活に困らないために、必要なお金を確保することが大切です。
投資信託の運用効果 投資信託は、定期預金のように購入時に利回りが決まっているものではありません。「資産が殖えているのか?」「効果はあるのか?」がわかりにくい商品です。投資信託の運用効果は、始めと終わりの価格と、始めてから終わるまでの期間の3つで決まります。
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経過年数別の年平均運用利回り(購入時の価格8,000円の場合)
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始めの価格(円)
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終わりの価格(円)
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3年後
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5年後
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10年後
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15年後
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8,000
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7,000
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-4.17%
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-2.52%
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-1.27%
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-0.85%
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8,000
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8,000
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0.00%
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0.00%
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0.00%
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0.00%
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8,000
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9,000
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4.16%
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2.47%
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1.23%
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0.82%
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8,000
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10,000
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7.72%
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4.56%
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2.26%
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1.50%
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8,000
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11,000
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11.33%
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6.65%
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3.27%
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2.17%
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8,000
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12,000
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14.47%
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8.45%
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4.14%
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2.74%
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8,000
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13,000
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17.69%
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10.26%
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5.01%
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3.31%
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例えば、価格8,000円で購入した後、下落・上昇を繰り返し、分配金込みの価格で購入した時の価格より低ければマイナス運用です。結果が3年後に9,000円になった場合は年平均運用利回りは4.16%の運用成果となり、同じように5年後、10年後、15年後は表のようになります。
(あくまでも簡単なシミュレーションです。各種手数料、換金時の税金等を考慮していません。また、8,000円の基準価格が今後、回復することを示唆したものではありません。)
リスクを軽減する方法は3つ
いつ投資を始めても、『時』を味方にして、運用効果を上げるために、リスクを軽減する3つの方法があります。
1.投資タイミングの分散
日々の値動きにとらわれず、購入時期を分散しましょう。投資予定の全額を一度に購入するのではなく、数回に分けて購入するとよいでしょう。投資タイミングを分散する方法として、ドルコスト平均法があります。金額を固定(例:1万円)して投資信託を購入し続ける方法で、自動的に価格の高い時は購入するする数量が少なく、価格が安い時は、数量が多くなる方法です。安いときにたくさん購入できるため、価格下落時をチャンスに変える優れた方法です。注意することは、固定するのは数量(例:10口)ではなく、購入する金額(例:1万円)です。これを間違うと効果がありません。
また、個別銘柄の株式でドルコスト平均法を利用することもできますが、その場合、株式を発行している会社自体が上場廃止になってしまうと損失を大きくする方法となってしまいます。
インデックス型の投資信託のように、特定の指数に連動する投資信託の場合、市場の値動きを長期的にみると、2年から7年くらいで、上昇・下降の波がありますから、下降から上昇しそうな投資商品でこの方法を実行すると、ゆったりと価格の波をみてコツコツ続けているだけで効果がある方法です。
2.投資期間の分散(時間のゆとり)
何歳までに、いくらになったら終了するか(目標)を決めて投資を始めることです。何年あれば、ある程度失敗した場合でもリカバリーできるかを考えておきましょう。短期間で大きな効果を得ようとすると、上昇・下落の幅が大きな資産に投資することになり、大きな損の可能性が高くなりますが、時間的なゆとりがあれば、値動きの小さな資産で投資できます。
過去の日経225は、1989年12月29日に最高値38,915円まで上がり、19年が過ぎようとしています。偶然にも高値で購入した場合、現在まで失敗を取り戻すことはできません。この経験から学んだことは、長期投資だけでは成功できないから、リスクを軽減する方法は複数で実行することが重要だったということです。
3.6種類の資産に分散
広い意味で『分散投資』を実行しましょう。
同じ値動きにならない資産への分散投資が、リスクを軽減する方法として有効です。具体的には、債券、株式、その他(商品、金、不動産などの実質資産)の3つの種類と、円建て、外貨建ての2つの組み合わせで3×2=6種類の分散です。資産の大半が下落するリスクが軽減され、たとえ下落したとしても元のレベルまで戻る時間が短縮される効果があります。分散で注意が必要なことは、外国の株式、通貨が1つの国だけでは分散になりません。個人では投資しにくい地域もあります。小額で広い地域の資産に分散できる投資信託を利用すると便利です。
まとめ
リスクを軽減する方法を実行しながら、あなた自身の『価値観』でライフプランにマッチした資産運用をし、金融や経済の流れをうまく重ねることができれば、「若いうちに目標が達成できた」、「目標とした資金にゆとりができた」のように幸福な結果となるでしょう。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー CFP 加子幸子
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※以上は、独立系FP会社 住まいと保険と資産管理に所属するファイナンシャルプランナー
が執筆をして、2008年12月22日にMSNマネーに掲載されたコラムを一部編集したものです。
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