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▼機関投資家にみる分散投資術



他人の運用はやっぱり気になる?

資産運用に取り組んでいると、自分の選択が正しかったのか迷ったり、他の人はもっとうまく運用しているのではないかと気になったりする時もあると思います。ましてや運用が思うようにいかず、評価損を抱えている時はなおさらではないでしょうか。

このコラムでは、運用のプロである機関投資家、とくに巨額の資金を運用している公的年金基金の運用ポートフォリオを観察して、分散投資のヒントを得ようと思います。

公的年金は、老齢・障害・死亡などの保険事故に対する本人もしくはその家族への生活保障を目的とした社会保険ですが、その積み立てられた資金は将来の年金支払いを賄うために、多方面に分散投資をして成果を出し続けることが求められています。

ここでは3つの特徴的な公的年金基金である米国・ノルウェー・日本について、比較していきます。

 

米国:カリフォルニア州職員退職年金基金

カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS:以下、カルパース)は、米国カリフォルニア州の公務員の公的年金基金で、米国で第1位の規模です。カリフォルニア州に雇用されている労働者、学校の職員、連邦のカリフォルニア州の支部等の職員およびそれらの退職者により構成され、その運営にあたっては透明性を徹底したオープンな組織として、投資家としては積極的な運用姿勢や株主総会での議決権行使を通じて投資先に対して「モノを言う株主」として有名です。

カルパースの資産運用の特徴としては、プライベートエクイティ(非公開株式)、不動産、ヘッジファンドへの投資など「オルタナティブ(代替資産)投資」も積極的に行っていることで、その資金規模による影響力から、世界中の金融関係者がカルパースの動向に注目しています。

カルパースの運用ポートフォリオを見てみましょう。カルパースのウェブサイトで確認できる20108月末のポートフォリオによると、国内外株式が49.8%、国内外債券が24.3%、プライベートエクイティやヘッジファンドなどへの投資が14.5%、不動産が7.3%、インフレ連動資産が3%、となっています。

また、株式と債券の中で海外(米国以外の)資産の割合は、株式は約35%、債券は約4%であると推測されます(筆者試算)。

カルパースのポートフォリオの目標利回りは7.75%と設定され、20083月までの5年間の平均利回りは14.0%となっており、その実力がうかがい知れます。2008年の1年間の運用実績では▲27.8%と、リーマン・ショックによる影響を受けましたが、翌2009年の1年間は12.1%と、前年の下落分を取り戻しつつあります。

ノルウェー:ノルウェー政府年金基金−グローバル

資産運用の話をする中で、ノルウェーという国が出てくるのは珍しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。実はノルウェーは、北海油田を抱える世界でも有数の産油国なのです。現在北海油田の恩恵を受けて財政に余裕がある一方で、その石油資源の枯渇に備えて潤沢な資金を投資ファンドによって活用し、歳入を確保しようとする視点に立っています。そのファンド総額はヨーロッパ最大であり、世界有数の政府系投資ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド)としてこちらも世界中の投資家から注目を集めています。

 ノルウェー政府年金基金は「政府年金基金−ノルウェー」と「政府年金基金−グローバル」から成り、「政府年金基金−ノルウェー」は国民年金基金の加入者による保険料や税金で賄われ、国内や近隣国の株式や債券で運用され、ここから既加入者への給付が行われています。一方「政府年金基金−グローバル」は、石油収入を原資として将来の年金支出への備えとして運用が行われています。

世界中の投資家から注目を集めているのは「政府年金基金−グローバル」の方で、運用対象は海外の資産に限っているのが最大の特徴です。

「政府年金基金−グローバル」の目標ポートフォリオは次のようになっています。海外株式に60%、海外債券に40%の比率です。およそ3年前は海外株式40%、海外債券60%の比率でしたが、この間に比率が逆転しています。

また、20101月にはリスク分散のため不動産への投資比率を5%まで高められるよう規則が改正されており、よりリスク分散と安定性の高い運用を目指して進化をつづけています。ちなみに、この5%の分は債券の比率の減少分から割り当てられます。

「政府年金基金−グローバル」の目標利回りは「物価上昇率+4%」とされており、20083月までの5年間の平均利回りは5.0%となっております。2008年の1年間の運用実績では▲23.3%と、こちらもカルパースと同様リーマン・ショックによる影響を受けましたが、翌2009年第2四半期の運用利回りは12.7%と、前年の下落分を取り戻しつつあります。

日本:年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF

年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)は、わが国の公的年金の給付に備え積立金管理運用している年金基金で、その運用規模は110兆円を超える世界最大級の機関投資家です。

学識者などで構成する「運用委員会」の意見を基に決められる「基本ポートフォリオ」という中期的な資産構成比を維持するように運用が行われており、2010年度の第1四半期運用状況によると、国内債券が71.1%、国内株式が10.9%、海外債券が8.0%、海外株式が9.1%、短期資産が0.9%となっています。わが国の国債のほとんどは国内投資家によって保有されていますが、その実態がGPIFのポートフォリオに如実に表れていることがわかります。

GPIFの目標利回りは「賃金上昇率+1.1%」とされており、20083月までの5年間の平均利回りは5.8%となっております。2008年度の運用利回りは▲7.6%、2009年度は7.9%となっております。

様々な分散投資のスタイル

 ここでは代表的な3つの機関投資家について、そのポートフォリオを観察しそれぞれ特徴があることを知ることができました。

カルパースと政府年金基金−グローバルでは組み入れている株式の比率が半分以上となっており、「大切な年金の資金をリスクの大きな株式にそんなにも投資しているなんて」と思う方もいるかもしれません。これは世界経済の動向を日々監視し、ダイナミックな投資行動がとれる機関投資家だからこその特徴ですが、一方で緻密なリスク分散もしっかり行っています。それぞれオルタナティブ(代替資産)投資を実行していますし、経済成長が見込める新興国投資も積極的に展開をしています(政府年金基金−グローバルは世界経済が不安定な中、20091月までにインド株式を20億ドル投資しました)。

もちろん、これらがあたなにピッタリなポートフォリオとは限りません。投資家にはそれぞれ千差万別の必要な運用利回り、リスク許容度(対応できる変動幅の範囲)、運用できる期間、さらには投資対象の好みもあるからです。

私たち個人投資家は、それぞれにあった資産配分は保つことでリスクを抑えながら、これら機関投資家ほどではないにしても定期的に投資対象のチェックを専門家とともに行い、投資先の見直しを必要に応じて実施していく必要があります。

株式会社 住まいと保険と資産管理

ファイナンシャルプランナー 渡邊 英利



このお役立ち情報で「機関投資家」についての理解が深まりましたか?

※以上は、独立系FP会社 住まいと保険と資産管理に所属するファイナンシャルプランナー
が執筆をして、2010年10月22日にMSNマネーに掲載されたコラムを一部編集したものです。




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