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▼「標準報酬月額」って、どんなシステムになっとるねん?


皆さんは、「標準報酬月額(ヒョウジュン・ホウシュウ・ゲツガク)」はそもそも“給与明細の金額”とほとんど一致しないことをご存知でしょうか? 大幅に違うことも決して珍しくありません。今回は、「標準報酬月額の仕組み」を考えてみます。

           

そもそも「標準報酬月額」とは?
 給料から毎月天引きされる厚生年金の保険料は、給料額に一定割合(保険料率)を掛けることで決定されます。しかし、実際に会社が支払う給料額が使われるのではなく、事務処理の便宜上、“仮の給料額”を使用して計算をします。この“仮の給料額”のことを「標準報酬月額」と呼びます。

 たとえば、給料額が「33万円以上35万円未満」の場合には、標準報酬月額は「34万円」とされます。つまり、給料額が33万円の人も34万9千円の人も、同じ「34万円」という標準報酬月額になるわけです。このように、「一定範囲の給料額の人たちをひとくくりにし、同じ報酬とする」のが標準報酬月額の考え方です。

 標準報酬月額は第1級(9万8千円)から第30級(62万円)までの30段階に区分されており、会社勤めをする方は、皆、どこかの等級に当てはめられることになります。どの等級になるのかは、会社が社会保険事務所に社員の給料額を届け、その金額に基づいて社会保険事務所が決定をします。

「標準報酬月額」と「会社が払う給料」は同じではない
 標準報酬月額の対象となる“報酬”には、「通貨・現物を問わず、労働の対償としてうけるすべてのもの」という定義があり、一般の方が考える“給料”とは異なる部分があります。たとえば、「現物支給」されるものも“報酬”に含むため、会社から提供される「食事、食券」「社宅、寮」「自社製品」なども法律上は“報酬”とされます。また、「見舞金」「出張旅費」「慶弔費」などは労働の対償と判断されないため、金銭で支給されていても“報酬”とされません。

 このように、会社から支給されたものが「厚生年金の法律上、“報酬”となるのか」の基準は、必ずしも一般的な感覚と一致しないため、給与明細を見て「報酬とされる範囲や金額」を判断するのは簡単ではありません。

昇給しても「標準報酬月額」はすぐに変わらない
 標準報酬月額は、実際に受ける報酬と大きくズレないように年に1回見直す“定時決定”という手続きが行われます。この場合、4・5・6月の実績を届け出て、その平均額を使用して「標準報酬月額」を決定し、その年の9月から1年間使用します。

 たとえば、新年度を迎え、4月から給料が上がったとします。その場合でも、標準報酬月額は4・5・6月の実績に基づき9月から変更になるのですから、4月から8月までは給料が上がる前の「低い標準報酬月額」が使用されます。新しい標準報酬月額が実際に使用されるまでには、報酬が変わってから6ヶ月近く掛かる仕組みのため、4月から半年程の間は、「実際に払われる報酬額」と「使用される標準報酬月額」は食い違うことがあります。

一時的に残業が増えても「標準報酬月額」は変更にならない
 また、標準報酬月額には、年度の途中で報酬に大きな変動があった場合に、1年待たずに見直しを行う“随時改定”という仕組みも用意されています。“固定的賃金の変動”があったときに、新旧の標準報酬月額に「2等級以上の差」が生じていれば行われるものです。

 “固定的賃金の変動”とは、たとえば、「昇給により基本給が増えた」「日給制から月給制に変わった」「家族手当、役付手当など固定的な手当てが新たについた」などが該当します。しかし、「このところ忙しく、残業代が増えた」などの場合は、“固定的賃金の変動”とは判断されないため、標準報酬月額の“随時改定”の対象になりません。そのため、「残業代がたくさん付いている給与明細」と「使用されている標準報酬月額」は全く一致しないことさえあります。

どんなに稼いでも、「62万円」までしかカウントされない
 標準報酬月額は第30級(62万円)が最高等級になります。報酬がどんなに高額でも第30級が上限となるため、仮に1ヶ月の報酬が100万円でも、標準報酬月額は最高等級の「第30級、62万円」に区分されます。その場合には、給与明細の金額と標準報酬月額は大きく異なることになります。

 このように、標準報酬月額には独特の考え方があるため、社会保険庁に登録されている標準報酬月額と“給与明細の合計額”とを単純比較して金額が違っていても、必ずしも標準報酬月額が改ざんされているとはいえません。

改ざんの懸念がある場合にはどうする?
 「標準報酬月額の改ざん問題」では、「そもそも会社が社会保険事務所にどのような金額を届けたのか?」が最大のポイントになります。そこで、今回お話したような標準報酬月額の独特の仕組みを考慮してもなお納得できない点がある場合には、会社の担当者に「社会保険事務所に届け出た報酬額」や「その根拠」の説明を求めると良いでしょう。

 ちなみに、社会保険庁では「標準報酬月額が5等級以上引き下げられたケース」などを改ざんの可能性がある記録として調査に取り組んでいます。「その会社をすでに退職している」「会社自体がもう存在しない」などの場合には、該当する会社の所在地を管轄する社会保険事務所へのご相談をお勧めします。

 標準報酬月額は、自分では改ざんと思っても厚生年金の法律上は「全く問題ない」というケースも少なくありません。そのため、「自分の場合には何が法律上の“報酬”にあたるのか」「自分の標準報酬月額はおかしくないか」などについては、素人判断をせず社会保険労務士などの専門家に相談をした方が確実です。また、現在、国民の間に必要以上の「不安感」が蔓延していることも事実です。メディアの“過剰な報道”に惑わされることなく、正しい法律の知識を身につけ、自分に必要な情報を選別することも重要です。

株式会社住まいと保険と資産管理
CFP・中小企業診断士・社会保険労務士 大須賀 信敬



このお役立ち情報で「標準報酬月額」についての理解が深まりましたか?

※以上は、独立系FP会社 住まいと保険と資産管理に所属するファイナンシャルプランナー
が執筆をして、2008年11月21日にMSNマネーに掲載されたコラムを一部編集したものです。




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