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がん保険について考える
がんと言えば「大病」「不治の病」のイメージがあり、もしもがんに罹った場合には相当の経済的な負担を覚悟しなければならない、というのが一般的な理解だと思います。そのようなリスクに備えるためがん保険に加入する人も大勢いらっしゃいます。
私もがん保険に加入しています。終身保障の終身払い、ガンで入院した場合1日あたり1万円、その他に手術給付金や診断一時金、死亡保険金などがついている保険です。大学を卒業してすぐ職場で斡旋されたがん保険でしたので、「まあとりあえず入っておこうか」と入りました。
実のところFPの資格を取るまでは「がん保険に入っている」という安心感のみで満足し保障内容はよく理解していませんでした。その後見直しをして減額し、現在に至っているのですが、最近になって様々な「がんに備える保険」が出てきており、あらためて見直しが必要かもしれないと思っています。

がんの治療費はどのようにかかるの? 特定非営利法人TeamNETが運営しているウェブサイト「がん治療費.com」には、がんの治療にかかる費用の具体的な事例が掲載されています。治療を開始した月から5年間の推計が、総治療費と自己負担額の別に分けて記載されています。
実際、どの時期にどれくらいの治療費が必要になるのか、事例で確認してみましょう。
事例1:
60歳男性、結腸がん、結腸切除手術(入院17日)、退院後外来で注射用抗がん剤治療を6ヶ月間、その後2年程度3ヶ月に1度、さらに2年間は6ヶ月に一度と定期的に検査を受ける。なお、再発はしないものとする。
表:月別自己負担額推計(高額療養費制度利用の場合)
(単位:千円)
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1ヶ月
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2ヶ月
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3ヶ月
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4ヶ月
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5ヶ月
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6ヶ月
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7ヶ月
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8ヶ月
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9ヶ月
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10ヶ月
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11ヶ月
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12ヶ月
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計
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1年目
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88
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65
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34
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65
|
34
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65
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36
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0
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0
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3
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0
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0
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388
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2年目
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32
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0
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0
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3
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0
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0
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6
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0
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0
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3
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0
|
0
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44
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3年目
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32
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0
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0
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3
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0
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0
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6
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0
|
0
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3
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0
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0
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44
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4年目
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14
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0
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0
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0
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0
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0
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6
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0
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0
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0
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0
|
0
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19
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5年目
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14
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0
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0
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0
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0
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0
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6
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0
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0
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0
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0
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0
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19
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高額療養費制度を使用した場合、この事例での自己負担額は5年間で約52万円です。
この方が、がん保険(入院日額1万円、手術20万円)に加入していたとすると合計受給額は37万円になり、これは当初半年間にかかる自己負担額をカバーしています。
その後の定期検査の費用は年間数万円程度にとどまります。これなら、がん保険に加入していなくても一般の医療保険でもカバーすることが可能です。
退院後の継続治療が必要な場合 事例2:50歳女性、乳がんで乳房温存手術(入院7日)を受けます。退院後再発予防のため外来で複数種類の注射用抗がん剤による治療を6ヶ月間実施、その後温存した部位に放射線照射を行います。さらに注射用抗がん剤(9ヶ月間)とホルモン剤による治療(5年間)行います。この間、併せて定期的な検査を行います。
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1ヶ月
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2ヶ月
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3ヶ月
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4ヶ月
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5ヶ月
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6ヶ月
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7ヶ月
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8ヶ月
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9ヶ月
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10ヶ月
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11ヶ月
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12ヶ月
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計
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1年目
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152
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53
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27
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27
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135
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125
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127
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66
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48
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114
|
69
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69
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1,013
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2年目
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125
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69
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69
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104
|
69
|
69
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40
|
0
|
0
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38
|
0
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0
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583
|
3年目
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59
|
0
|
0
|
38
|
0
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0
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40
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0
|
0
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14
|
0
|
0
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151
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4年目
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35
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0
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0
|
14
|
0
|
0
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16
|
0
|
0
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14
|
0
|
0
|
77
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5年目
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35
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0
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0
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14
|
0
|
0
|
16
|
0
|
0
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14
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0
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0
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77
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この事例では、手術後も長期にわたって放射線治療やホルモン剤治療を行っています。 5年間の自己負担額合計は約123万円となります。そのうちの8割は当初の1年半にかかっています。
高額療養費制度を利用しても、当初1年半にわたり月額数万円から十数万円の費用負担が発生するのは家計にとって大きな痛手です。預貯金が十分にあればそれを取り崩して対処できますが、教育費や老後資金準備などに影響が出る場合もあります。
このような時、がん保険の治療(入院)一時金特約が頼りになります。がんと診断された時点、あるいはがんの治療を目的として入院した時点で50万円〜100万円が一括して支払われます。仮に、入院日額1万円、手術20万円、診断一時金100万円の保険に加入していた場合、事例2では総額127万円を受け取れます。5年分の自己負担額をカバーしていますね。
診断一時金は、一般の医療保険にも特定疾病治療一時金特約等として付加できるものもあります。がん保険の最大の特徴は日数無制限なことですが、入院が短期化していることを考えると一般の医療保険で対応できる部分が大きいように思えます。
最近の医療保険は、厚生労働省の定める先進医療の費用を保障する特約や、がんで入院した後の通院費用を保障してくれる特約を付加できるものもあり、入院や手術に対する備えとしてのがん保険に加入するメリットは小さくなっているように思えます。
就業環境の変化による収入減に備える がんが「治る病気」となった今、治療を続けながら働く方も大勢いらっしゃいます。ある調査によると、がんと診断された時点で継続して就業を希望する人は約76%ですが、そのうちの役30%の方は転職を余儀なくされているそうです。さらに、がん罹患後の収入の変化については、約40%の方が「減った」と回答しています。
実際、残業の免除や短時間勤務など緩やかな労働条件を希望する方も多く、転職がなくても収入減となるケースは多いようです。
これまでがん保険というと、治療費をカバーするものと考えられていましたが、視点を変えてがんによる収入の減少に備えるという発想は注目に値すると思います。
就業不能状態に備える保険としては、所得保障保険や就業不能保険といわれるものがあります。これらはがんに限られない点はよいのですが、働きながらがんと付き合うことが普通になりつつある中では、保障を受けられる期間が短くなる恐れがあります。
その点では、がんと診断された時点で保障を受けられるがん収入保障保険は、新しい保険への備えとして有力な選択肢となりうるのではないでしょうか。
日本人の2人に1人ががんに罹るといわれる中、「がん保険に入ったから安心」ではなく、「何に備えて加入するのか」「保険以外での備えはできないのか」も考慮のうえ、危機ではない通常の暮らしを支える貯蓄とのバランスを考えて、がん保険について考え直すきっかけとしていただければと思います。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 山川 正人
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がん保険」についての理解が深まりましたか?
※以上は、独立系FP会社 住まいと保険と資産管理に所属するファイナンシャルプランナー
が執筆をして、2010年11月22日にMSNマネーに掲載されたコラムを一部編集したものです。
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