みなさんは、電車に乗るときは切符を買いますか?
きっと多くの方が「いいえ」と答えるでしょう。
東京周辺では、「SuicaやPASMOを使う」という回答が多くを占めると思います。
実際、首都圏では専用の改札機がない駅のほうが少ないように思えます。
このように、電車をはじめ、バス、タクシー、日々のお買い物など、現金の代わりとして様々な場面で電子マネーはその役割を果たしています。
1枚とは限らず、2枚、3枚と手にしている人も多いのではないでしょうか。
*現状は?
2009年4月末までの総発行数を見てみると、1億3000万枚となっており、1年前と比べて3割以上も増加しています。
また、主要10規格の発行枚数を見てみると、1億2654万枚にも及んでいます。
日本の人口が約1億3000万人であることを考えれば、電子マネーの「1人1枚化」が本格的になったと見ることが出来ます。
特にイオングループが発行するWAONは2.1倍もの普及が見られました。
以下の表は電子マネーの利用決済状況です。
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Edy
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Suica
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PASMO
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nanaco
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WAON
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ICOCA
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発行数
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4250万枚
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2591万枚
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1001万枚
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613万枚
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560万枚
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383万枚
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利用可能店舗数
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79000店
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39270店
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7244店
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20138店
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26000店
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7240店
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月間利用件数
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2400万
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23729万
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751万
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3100万
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1020万
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80万
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(e-money Japan より)
やはり、利用可能店舗数が多いEdyや通勤・通学で電車を利用する人が多く使用しているSuica・PASMOなど、利用する機会が多い電子マネーの普及率が高いことが分かります。
*普及の要因は??
イオングループのWAONについて言うと、グループの3000店以外に外部の利用店を広げたことが普及の大きな要因と言えます。その結果、今は約2万6000店で使えるようになりました。
以前は、私鉄やバスでしか使えなかったPASMOも、首都圏のJRでも使えることができるようなったからか、1年で41%も増加しました。また、バスを利用するとポイントが還元される点も、普及を促進している要因の1つでしょう。
nanacoは、100円で1ポイントが貯まり、1ポイント1円でのポイントの、また、ICOCAでも、200円で1ポイントが貯まり、1ポイント1円相当の還元機能がそれぞれついています。ポイント目当てでこのカードを手にする人も多いようです。
*使用者側のメリットは?
どの電子マネーにも共通して言える1番のメリットはその便利さにあるでしょう。
現金支払いでは、お財布からお金を出して、おつりをもらって、という流れに対し、
電子マネーでの支払いだと、チャージしたカードを専用の機械にかざす、それだけで買物ができてしまいます。
現金支払いと比べて、電子マネーでの支払いのほうが買い物の時間が省け、小銭を持ち歩く必要がない点に利便性を感じる人は多いと思います。
*発行者側のメリットは?
電子マネーの中には、顧客情報が蓄積されているものもあります。
その情報を使ってマーケティング戦略を行っている企業も最近増えてきています。
電子マネーの中の顧客情報では、その顧客が、いつ、どのくらいの頻度で、いくら使った、
などの情報を知る事ができます。
それらの情報を、今後の販売戦略や、新たな商品の開発のために利用するわけです。
顧客のニーズを直接に知ることができるという点で、電子マネーはこれからもさらに企業側にとって、欠かせないものとなってくるでしょう
また、特典やポイント還元などの、電子マネーの使用により感じられる「お得感」を、消費者に与えることが、顧客獲得のための1つの戦略となっていることはいうまでもありません。
*デメリットやリスクは?
しかし、当然デメリットもあります。もし、電子マネーを落としたり、なくしたりした場合、電子マネーは現金と一緒ですから本人でなくても使用が可能です。
紛失した場合、自分の知らないところで、他の誰かが使用している可能性も出できてしまいます。
また、クレジットカードと同様にその場でお金を使わないので、支出時の心理的な抵抗が減り、無意識のうちに支出が増える原因となり得ることには注意が必要です。
*最後に・・・
第2の財布と言われる電子マネー。いつでも、どこでも、気軽に使える電子マネー、
しかし、そのメリットを裏返せば、自分の支出に関する情報が流出するリスクがあったり、無意識にお金を使い過ぎてしまうリスクも高まると言えます。
各電子マネーの特典だけでなく、デメリットやリスクも理解したうえで、自分に合った電子マネーを使う事が大切です。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 石垣 友希
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