会社が確定拠出年金(企業型)を導入することになったあなた! または、既に導入されているあなた! 真剣に資産運用のことを考えていますか? おそらく大部分の方は、よくわからないから元本確保型の商品を設定している、というのが現状ではないでしょうか?
将来の年金額は、年金受取期間までの運用成績で決まります。あまり考えずに放っておくと、老後を迎えた時に期待通りの金額に達していなくて、悔やんでも悔やみきれないことになる可能性がありますよ。
確定拠出年金(企業型)の現状
日本版401k(確定拠出年金 企業型)の加入者数は、約250万人。加入者数は右肩上がりで、厚生年金の被保険者数が約3,300万人ですから、13人に1人程度は、確定拠出年金(企業型)に加入していることになりますね。
また、興味深いのは、制度を導入している企業の約6割は従業員99人以下の中小企業だということです。今後、大企業で働いている方だけではなく、中小企業で働いている方も否応なく確定拠出年金を考えないといけない状況になる可能性があります。
本来なら会社が投資教育の機会を提供しないといけないのですが、実際、実施している会社は半数にも満たないようです。
受取額の比較
ここでは、具体的に数字を出して、積極的に運用した方・しなかった方の年金受取額を検証してみましょう。
まず、前提として、毎月2万円を30歳から60歳まで運用したとしましょう。
元本確保型(定期預金等)でずっと運用した方
運用利回り0.5%だと考えると、60歳時点での受取額は、約780万円。
企業の想定利回りで運用した方
企業年金連合会によると、企業が設定している運用利回りの平均は2.26%です。この利回りで運用すると、60歳時点での受取額は約1,030万円。元本確保型の商品(定期預金等)だけでは、まず達成できない運用利回りですね。
積極的に運用した方
運用利回り4.5%だと考えると、60歳時点での受取額は、約1,500万円。
皆さん、この金額の違いを見てどう思いましたか?積極的に運用した方としなかった方とは約720万円の差が出てしまいます。これだけの差が出ると、セカンドライフへの影響も大きいでしょうね。
確定拠出年金の活用、2つのポイント
元本確保型だけで運用せず、積極的に運用しないといけないことは理解したが、実際には、どのように運用したら良いのか?という方も多いと思います。難しく考える必要はありません。以下の2つのポイントを守って実行しましょう。
(1)投資対象を、外国株式・外国債券・日本株式に分散しましょう
資産運用において大事な「お金を分ける」ことを実行します。異なる値動きのものを組み合わせ、リスクを分散するためです。
(2)1年に1回程度は資産構成を再確認し、偏りがあれば再配分を考えましょう
運用を放っておくと全体のバランスが崩れていることがあります。1年に1回程度は、資産配分を再確認し、偏りがあれば、配分を見直します。最初に決めた配分に戻さないと、運用成果が落ちてしまう可能性が高いからです。
これだけで大丈夫?という方がいるかもしれませんが、このポイントさえ守れば4.5%の運用利回りは、それ程難しいことではありません。
まとめ
確定拠出年金は基本的に60歳まで、引き出すことは出来ません。必然的に長期運用になりますね。資産運用においてこの長期運用という考え方は、極めて重要なんですね。積極的に運用を開始すると、一時的に元本割れすることもありますが、時間を味方につけて長い目で見れば、複利効果も手伝って資産は増加していく可能性が高いでしょう。
401kの運用のために習得した知識は、他の資産運用にも使えます。401k活用の2つのポイントに「長期運用」を加えるだけですから。
どのように運用するかはあなたの自由ですが、お正月休みにでも、真剣に考えてみてはいかがでしょうか?
それでは、良いお年をお迎え下さい。
株式会社 住まいと保険と資産管理
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史