【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● 時代を変える力 〜「TSUNAMI」と変われない者たちへ
◇ 12/26 ◇ 鹿野さち子(AFP)

 記念すべきミレニアムの年もあと数日です。

 20世紀末にバブルが崩壊して以来の「失われた10年」。そして今年2000年も まだ我々日本国民が失ったものは何かと多い年でした。

 日本経済再生の切り札と期待され高騰したネット関連企業の株価が反落。あいついだ 保険会社の破たん。老舗デパート、スーパーの倒産。経済再生にわずかの光を導きつつ あった小渕首相の死去。

 「失われた10年」はまだまだ続いて「失われた20年に」なってしまうのでしょう か?

 でもちょっと待って!!
失われた10年の中で私たちが“得たもの”は何もなかったのかしら? 

 少し前まではコードレス電話よりも大きく、通話料もバカ高かった携帯電話。今じゃ ポケットに入り、通話料もだんだん安くなっています。またiモードの出現でますます 「何でも出来るケータイ」になってきています。

 パソコンの新機種も安く、速くなりました。そしてインターネット上で便利なサイト が出来たおかげで、図書館に行かなくてもいろいろなことが調べられるようになりまし た。

 給料は下がってもその分物価が下がっているので以前はバーゲンでしか買えなかった ものがシーズン始めに定価で買えてしまいます。

 近くのレストランも値下げしたのでより気軽に行けるようになりました。

 お父さんが飲み会に行っても1次会で帰って来るようになりました。休日もあまりゴ ルフに行かなくなり家族の時間は増えました。

 手数料の自由化で株の売買はずいぶん気軽に出来るようになりました。また、コンビ ニでお金が引出せるようになりました。

 「失った」と嘆いていても何も始まりません。「得たもの」だってあったんです。 まだまだこの国捨てたモンじゃないんだと思います。もっともっと私たちが暮らしやす い日本になっていけるはずなんです。

 しかしなぜかこの国には、何かを「変えていこうとする力」がその過程で押しつぶさ れやすい風土があります。また「根回し」や「おうかがい」が欠かせない場合も多く 「変わる」のに時間もかかります。

 「出る杭は打たれてしまう」のです。そして「変えていかなくちゃいけないこと」を どんどん先送りしてきた結果が国をあげての600億以上もの赤字と言うわけです。

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 ところで2000年一番売れた曲はサザンの「TSUNAMI」だったそうです。いい歌で す。でもこの曲十数年前に同じサザンで流行った曲になんだかとても似ているような気 がします。昔と変わらないメロディーへ、懐かしさと同時になぜかもどかしさをも感じ てしまいます。

 十数年前の古き良き時代への懐古。そして「変わらなきゃいけない。変わりたいけど 変われない」自分達への焦燥。30代、40代のサラリーマンがそんな思いを込めてカ ラオケでこの曲を歌っている姿が目に浮かびます。

 “変わらない”サザンのメロディに乗せて20世紀が終わっていきます。

 「長野県」のように変えていこうとする人が大勢の支持を得て変わっていきつつある ところも出始めています。この動き、全国的に広って欲しいものです。

 21世紀、あなたも思い切って「時代を変えていく力」になってみませんか?