【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● たかが「宝くじ」されど「宝くじ」…
◇ 12/19 ◇ 高原育代(AFP)

 突然ですが。
 0から9までの数字がついたルーレットがあります。これを6回まわすとき、「1」 「2」「3」「4」「5」「6」の順に、目が出る確率は、いったいいくらでしょう か?

 正解は、「10の6乗、つまり、1,000,000分の1」。
 100万回勝負したら、そのうちの1回は、「123456」というならびが出るで しょう、というわけです。

 のっけから、何を言いだすかと思われたかもしれません。

 でも、実はコレ、“ジャンボ宝くじ”の一等が当たる確率なんですよ。  しかもこれは、純粋に、一等のならび方だけの確率です。  “夢の3億”なら、さらに「組」の組み合わせまでピタリとあわなくてはいけないの で、その確率なんて、私なんぞには、とても計算できません…(^_^;)

 先週の火曜コラムでとりあげられておりました「福袋」同様、お好きな方には、恒 例のイベントとして、欠かせないものかもしれません。

 別に、「福袋」や「宝くじ」に、福や夢を求める方に水を差すつもりは、さらさらあ りません。

 夢は夢としていいのですが、福袋同様、いえそれ以上にほぼ“モト”をとることはで きない投資でしょうね、ということです。

 300円が、一等の6000万円になる確率は、100万回のうちの1なのです。

 「アレ? ‘123456’ときれいにならぶ確率が100万分の1じゃないの?」なんて言わな いでくださいね。 今年の一等がどんなならび方だろうが、ともかく6ケタの数字が順番にならぶ確率は おんなじなんですから…(*_*)

 ということは…
 300円を1,000,000回買えば、確率的には一等の6000万円が手に入ることになります、 理屈では。
  300×1,000,000=300,000,000 (3億円!!!!!)
 それこそ、確率ですから、1回目の300円を投資しただけで、6000万円を手にする人 もあるでしょう。 でも、100万回目の3億円までつぎ込んで、やっと6000万円が当たる人もあるわけで す。 しかも、やっぱり確率ですから、必ずしも100万回、3億円つぎ込んだからといっ て、最後まで一等が当たらない場合もあるわけです。

 さらにさらに、データを見てみました。 平成9年の年末ジャンボの購入枚数を、生まれたての赤ちゃんから、100歳以上のお 年寄りまで、み〜んな含めた日本人1人あたりの平均は、5.4枚。 ひとり1500円以上は投資したことになるのだそうです。 このうち、‘モト’がとれたラッキーな人は、どれぐらいおられたのでしょうね !(^^)!

 ‘モト’がとれなかった、アンラッキーな大勢の人たちの収益金は、発売元の都道府 県及び指定都市に納められ、公共事業等の費用として人々の生活に役立てられている というのですから、それはそれで「税金」のようなものと思えばいいのかもしれませ ん。

 でも、余分な税金を納めたくない、こんな確率では‘モト’がとれないゾのはやっぱ りいやだと思ったら、宝くじ購入金額にあてようとするボーナスや給料を、「使わず に貯める」ことにしましょう。

 たとえば、この宝くじ10枚分の購入資金3000円。

 ほとんどの人は、これが10分の1の300円になってしまいます。ということは、買わず に3000円貯金しておいた場合との差は、2700円。

 いえいえ、その3000円を1年後には、わずかながら3036円に安全確実にふやしておい て、宝くじにはずれた人との差を2736円にすることだってできるのです。

 今はほとんどないとはいうものの、「金利」というものを見捨ててはいけません。

 ゼロやマイナスには、いくら金利をかけてもダメですが、プラスであれば少しずつで も金利はついていくのですから。

 ちなみに、1年後には3036円にできるのは、ひところはやった「郵便局のニュー定 期」のウラワザ。 1000円ずつ入金すれば、まだ使えます。利息の税金がとられないので、純粋に年利 1.2%。

 「たった36円?」と思うかもしれませんが、同じ36円の利息を、税金が引かれる、銀 行の普通預金でもらうためには、元手は45000円必要なのです。

 買わずに貯めた、1年後の確実な3036円。 一方、宝くじを買って300円になってしまった場合は、さすがのウラワザも使えない ので、1年後でもやっぱり300円。交換しにいって、「今度こそ」と、もう1枚買っ てしまうかもしれませんから、もうなくなっているかもしれません。とはいうもの の、ひょっとしたら、その1枚こそが、100万分の1で、大金を手にしているかもし れません。

 というわけで、3000円を「一攫千金の夢にかける」もよし、「金利があがる時を待っ て、コツコツ元手をふやしておく」もよし。自分にとって、もっとも価値ある3000円 になるように、あれこれ使い道を考えてみてください…。(*^_^*)