【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● 心の安らぎ【メンタル支出】
◇ 12/05 ◇ 深川悦子(AFP)

 「はぁ…、安らぎたいなぁ…。」
 毎日なんの悩みもなく、ボーッと生活している私でもたまにこういう心境になること があります。
 ただ、私の場合「それ以上安らいでどうするんだ?」と旦那にいわれてしまいそうで すが、人間誰しもそういう心境になることはありますよね?

 最近では多くの女性が【メンタル支出】と呼ばれる支出にお金をかけているといわれ ていますが、みなさんはこの言葉を耳にされたことはありますでしょうか?

 【メンタル支出】とは「心が安らぐための支出」のことで、リラクゼーション効果の あるCDやエステ、家事代行サービスの購入などがこの支出にあてはまります。まさに 、「安らぎやゆとり」を買うための支出をさしていますよね。

 そういえば、以前、新聞に家事代行サービスの利用者の約4割が"専業主婦"だという 記事を読んでビックリしたことがありました。いやはや、クリーニング代すらもったい ないと感じる貧乏性の私にとっては考えられないことですが、世間ではこういうところ で支出が増えつつあるのが現状のようですね。

 とにかく、この「メンタル支出」すごい勢いで伸びているのですが、昨今の経済報告 を聞いていても景気に反映されているのかどうか不透明な感じがしてしまいますよね。  あんまり景気に貢献していない支出なのかも???

 でも、そうではないんですね。
 実はこの「メンタル支出」、別名「隠れ支出」ともいわれ、単に現在の政府統計には あまり反映されていない個人消費支出なのです。

 現在の政府統計では、従来の物販を中心とした個人消費を数字であらわしています。 確かに、サービス業も様々な物を消費しますので少なからず現在の統計には貢献してい ると思います。しかし、それだけではサービスに対する対価は数字に反映されないです よね。ですから、政府が発表している統計は、実際の個人消費よりやや弱含みなものに なってしまうとの指摘を受けています。

 ということは、景気は完全に回復基調になっている???

 いやいや、ここは楽観視せず統計に左右されない各家庭の収支にあった生活を続ける ことが大正解でしょう。だって、よそ様がうるおっても、自分がうるおうわけじゃない んですから。

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 さて、話はかなりずれてしまいますが、私は過日、高校の同級生と自宅で食事をして いた時、友達の一人がいつまでもきれいな肌なので、「なんでそんなにきれいなん?」 と聞いたんです。
 すると彼女は…

 「人間万有引力の法則に逆らおうと思ったら、それだけのお金はかかるんよ。この顔 維持すんのもタダちゃうねんで(笑)」

 これを聞いて私は大爆笑しつつも妙に納得してしまいました。
 確かにタダでは、顔のしわは隠せないし、ニュートンの落ちるリンゴよろしく、頬の 肉がたるんでいくのも涙をのんでこらえるしかない。やっぱり自然に逆らうには、それ 相当のお金が必要ということを実感してしまいました。

 私自身は、エステ業界に対してはあまり関心がないのですが、特に悪いと思っている わけでもないんですね。それどころか、いつまでも若い彼女の肌をうらやましく感じて いたりして…。
 しかし、今の私にはいくら自分のメンタル部分を補うための支出であったとしても、 エステにお金をかけるだけの勇気はないです(笑)。
 やはり、このメンタル支出に対する考え方も人それぞれなんでしょうね。

 私個人としては、たまに使うから効果的な支出になるのが「メンタル支出」だと思っ ています。長期に渡り、大金を支払い続けると「メンタル支出」というより、ただの「 固定支出」になってしまいますからね。
もしみなさんが節約をされていらっしゃるのでしたら、心の安らぎも大事ですが、それそ れ本来の節約目的を見失わない程度にメンタル支出を有効に活用してくださいね。