【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● アナタのためのセミプロを見つけよう!
◇ 6/19 ◇ 高原育代(AFP)

 日経新聞の毎土曜日についてくる「プラス1」。マネー関係のみならず、トレンド情 報なども載っていて結構楽しめます。 今回は、ガーデニングに関する記事に目が留まりました。

 題名は「お抱えガーデナーを見つけよう」。
 自分の庭で、ガーデニングを楽しむ人は、多いと思います。 ガーデニングが趣味で毎日、手間ヒマを惜しまず、ステキなお庭を作られている方も おられて感心してしまいます。

 私も、狭い庭ながら、家庭菜園を楽しんでいます。 とはいっても、私の場合、そんなに「好きで好きでたまらない」からやっているわけ ではないというのがホンネ…。 たしかに、これから夏場にかけてのトマト・ナス・キュウリなど。とれたての野菜を 家族で楽しみを味わえることは、捨てがたい魅力です。 その一方で、とくに梅雨のこの時期、一雨ごとにイヤでも成長をつづける雑草との闘 いは、その楽しみを捨ててしまいたくなるほど、私にとってはツライものでもあるの です。

 で、その記事に提案されていたのは、屋外の作業が苦手だけれども、庭をいつもステ キにしておきたいという人は、「お抱えガーデナー」を持ってはいかが、というも の。それも本当のプロにお任せではなく、園芸店を利用しているセミプロのお客さん を探そうというのです。

 私たち主婦の仕事を例に考えてみると、実にさまざまな種類の仕事を毎日こなしてい るといえます。 掃除も洗濯もお料理…。細かくあげればキリがありません。 どの仕事も特化し追究すれば、プロの仕事になってしまうことを、それぞれ日常生活 の中では自分なりに工夫してやっています。 でも、その中には得意・不得意もあれば、好き嫌いもあるのが普通ではないでしょう か。

 私も、とくに掃除については、「やらんでも死なへんし〜」とついついサボってしま うところがあります(笑)。 そんなとき、自分の手に負えなければ、お金を支払ってでも、プロに任せるというの も1つの考え方だと思いますし、そういったサービスはどんどん増えてきていると いっていいでしょう。

 大物や特殊なものはクリーニング屋に任せる。エアコンのカビ取りはプロに任せる。 こういった、「自分に手に負えない」とはっきり線を引きやすいものは、以前から、 抵抗なくお金を支払ってサービスを受けている人は多いでしょう。

 でも、「自分でやってやれないことはない」ということについてはどうでしょう。 たとえば、ワイシャツのクリーニング。アイロンが大変なので出してしまう、という 人もあれば、毎日のことだけにもったいないので自分でがんばっている、という人も あるでしょう。

 「草引きと庭の手入れ」は、私にとってそのライン上にあるといえます。 別にウチの庭程度で「ガーデナー」を雇うほどのものでもないし。 ただ、ここに提案されていた「自分の庭を管理し、それでも力を余らせているセミプ ロ」なら、ご近所の○○さんに頼んでみるのもいいかもしれない、なんて思いまし た。

 ただし、この際のポイントは、ボランティアを頼むのではなくて、あくまでも実費以 外の報酬も支払うということ。 つい「タダでやってもらおう」と思いがちですが、相手がプロでなくても、報酬を支 払うことは成功への第一歩といえるでしょう。

 また、パソコン学習に意欲を燃やす高齢者の方も最近は増えています。 プロを個人レッスンで雇うと1時間何千円もとられるので、あるおばあちゃんは、近 所のコンビニで働くアルバイトの大学生に「ここの時給の3倍出すよ」と声をかけ て、個人契約のセミプロを雇ってしまうのだそうです。

 ところで、ちまたはボーナスシーズン。 金額の多少はともかく、キビシイ時代ですから、大切なボーナスの運用先をあれこれ 頭を悩ませておられる方も多いでしょう。

 「お金の管理」の問題は、今後いっそう「家計のマネージャー」の重大な仕事となっ ていくでしょう。 「草引き」も「お金の管理」も、自分でやってやれないことはない。 けれども、苦手なことなら、時間とお金のコストをてんびんにかけて身の回りのセミ プロにうまく助けてもらうというのも1つの手段ではないでしょうか。

 「プロ」ではなくて、「セミプロ」に任せる。 これも1つのポイントかもしれません。とくに、“マネー”に関しては…。 「プロ」の方が「セミプロ」より上だという思いこみは、思わぬ失敗をまねくことも あるのです。

 ある会社や団体に属しているプロの場合、『あなたの利益』よりも優先させなければ ならない何かがあるかもしれません。 『あなたの利益』を最優先してくれるセミプロを見つけられるといいですね。



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