【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● 自動車が空を飛ぶのはいつの日か?
◇ 10/10 ◇ 深川悦子(AFP)

 突然ですが、私「銀河鉄道999」と言うアニメが大好きなんです。
 だって、電車が空を飛ぶんですよ! しかも、宇宙まで…。

 すごいじゃないですか。想像の世界の話とはいえ、乗れるものなら本当に乗って みたいと思っています(笑)。

 でも、快適な宇宙旅行を楽しむには光の速さより速い粒子を見つけることが必要 になってきます。現在では、1つだけ見つかっているようですが、それは実用化と まではいかないものらしいのです。ですから、快適な宇宙旅行というのはまだまだ 夢物語の段階なのです。

 しかし、もっと現実的なものに目を向けるとどうでしょう?

 携帯電話やテレビ電話などは未来アニメでの定番でしたが、21世紀を迎える 前に現実化され実用化までされてきていますよね。ほんと、科学の力ってすごい というか、なんというか。

 それじゃぁ、もう一つの定番もの、空飛ぶ車も現実化されるかもしれないです よね。

 空中に通っているパイプの中を車が走っている絵をみなさんもごらんになった ことがあるはず。この中を通っている車はリニアカーであったり、電気自動車で あったりとアニメの設定によってまちまちですが、電気自動車という点では、 実用化されてきていますよね。

 しかし、現時点で私たちが購入することができる電気自動車の大半は、トヨタ や本田技研が販売している「ハイブリットカー」です。あの車は完全な電気自動車 ではないんですよ。いままで通りガソリンも必要になってきます。

 先日、石油の原油価格が高騰したのを受け、ニュースなどでも原油の残存年数 の話題もちょこちょこと取り上げられていました。長期に渡ってみても、80年 が限界だという説もあるそうです。

 しかし、自動車はガソリンが必要。ガソリンがなくなれば、車は走ることが できなくなってしまう。

 この話は、今に始まったことではないですよね。
 誰だって、資源は有限だということはわかっていたはず。

 なのに、ガソリンから電気へのシフトが自動車の場合、他のものにくらべて 完全に後れをとってしまっているのが現状です。

 なんでこんなことになってしまったのか?

「技術力の問題じゃないの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、技術の点からですと、もっと本腰を入れて開発をしていれば早期実用 化は可能だったのです。

 だって、本田技研なんか二足歩行のロボットまで作ってしまうんですよ。
 今じゃあのロボット、サッカーまでするんです(笑)。
 当然できないはずはありません。さて、そろそろ核心に迫りましょう。

 自動車産業は、内燃機関(*)に対するすそ野が広い!
 これが、自動車が電気へシフトできていない大きな理由の一つです。

 ガソリンを原動力として車を動かしていると、ガソリンを爆発させるための 「シリンダー」や「ピストン」、「ミッション」系統などが必要になってきます。

 今世界中でこれらの部品を作っている企業はどれくらいあるのでしょう?

 自動車産業は典型的な傘型産業とも呼ばれ、メーカーの下に下請け会社があり、 そのまた下にも下請け会社があり、メーカーを頂点とする完全なピラミッド型に なっています。

 今すぐ電気自動車に移行させてしまうとこのピラミッドの半分くらいがくずれ てしまう可能性が出てくるというわけです。

 自動車産業は、これらの下請け企業をまもる意味もあり、急いで電気自動車へ の移行ができなかったのです。

 しかし、今後の環境や原油問題を控えた今、電気自動車への移行はなんとして でもしなければいけない問題になってきました。

 各メーカーもようやく重い腰を上げたというわけです。

 排気ガスを出さないし、騒音問題にも有効な電気自動車。
 これが完全に実用化された時に、ようやく空中パイプの中を走る車というもの が出てくるかもしれませんね。

 でも、空中パイプという案よりも、アメリカや東京の一部でも作られかけて いる地下道路構想の方が現実的な話でしょうね。

 自動車が空を飛ばないまでも、いずれは排気ガスのない空気のきれいな地球に 住める日がくるかもしれません。

 ただし、私が生きてこの目で見ることができるかどうかは別問題ですが…。


【内燃機関】
 気管の中で燃料(ガソリン)を燃焼、爆発させその燃焼ガスによって動力を得る  熱機関のことをいう。対語としては、『外燃機関』があり、その代表格としては、  蒸気機関などがあげられる。