【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● 加入している「保険」を確かめよう!
◇ 9/26 ◇ 高原育代(AFP)

こんにちは、高原です。

酷暑だった今年の夏。その残暑を引きついだ9月ももう終わり。9月は、秋のおとずれを告げるとともに、気象災害をもたらしやすい時期でもあります。

今年も、台風による影響で、名古屋をはじめとする地域には、集中豪雨による大きな被害が出てしまいました。

台風や地震など、どこかで大きな災害が起こると、被害がもたらされた地域のことを心配したり、気の毒に思ったりする一方で、「もし、自分の地域でそういうことが起こったら…」ということが気になります。

そんなとき、「わが家は保険に入っているから大丈夫!」という方もあるでしょう。
でも、自分が入っている保険が、どういう場合に、どれだけの保障をしてくれるものなのか、きちんと把握できているでしょうか。イザというときに本当に役に立つものでしょうか。

まずは、自分が入っている「保険」と名のつくものを、家中から引っぱり出してきましょう。そして、どんな種類のものに入っているか確かめてください。生命保険をはじめとして、自動車保険、火災保険、個人賠償保険、他にも旅行の時に保険をかけたこともあったし、ゴルファー保険なんていうのも、…。意外にたくさんの保険に入っているなぁと、あらためて気づく方もおられるでしょう。

さて、一口に「保険」といっても、実にさまざまな種類のものがあります。何を基準に考えるかで、保険の分類のしかたもいろいろです。その一つとして、「人」に対する保険か「モノ」に対する保険かという分け方があります。

「人」に対する保険の代表が、生命保険。「モノ」に対する保険の代表が、損害保険。でも、一概に「モノ」を対象にしている損害保険といっても、よく内容をみてみると、その中には「人」を対象にしている部分が含まれていることもあります。

例えば、自動車保険。車両保険なら、車というモノが対象です。でも、対人賠償保険はもちろん人を対象とする保険ですし、搭乗者傷害保険もそうです。自分が入っている自動車保険には、どんな種類がセットされているのか、ちゃんと知っていますか。それも、契約者の人だけでなく、運転する人全員がわかっているでしょうか。

契約者であるお父さんが、余分な経費節減のために、家族限定特約をつけているとします。もし、そこの息子さんがその車で友達とドライブに出かけた際に、友達に「ちょっと運転させてくれ」と頼まれたらどうでしょう。息子さんにも、車の保険のことを知らせているかどうかで、息子さんの対応は当然変わってきますよね。

また、最初に触れたような水害の場合はどうでしょう。ニュースで報道される水没してしまった車を見ていると、「こういうとき、ウチの車の保険は役に立つんだろうか」って思います。

特に、最近の自動車保険は、外資系の参入も含めて、競争が激化しているので、保険料も各社さまざまですし、どんな損害に対して保険金が出るかということも各自がしっかりつかんでおかないといけないと思います。

損害保険が、生命保険と大きく違うのは、原則が「実損填補( じっそんてんぽ )」であるという点です。つまり、生命保険は、あらかじめ決まっている保険金が支払われるのに対して、損害保険は、あらかじめ決められているのは支払われる保険金の限度であって、実際にこうむった損害の部分が支払われるのが原則である、ということです。

ですから、水害で車が水没しても、自分が加入している保険によっては、「全損扱い」にはならないことも考えられるわけです。

保険に関して、もう一つ大切なのは、「自分から請求しない限りは、支給されない」ということ。

あたりまえのことのようですが、自分が加入している保険を把握できていなければ、請求することもできません。

最近、個人賠償責任保険の請求件数が増加している、という記事が新聞に載っていました。これは「保険」というものに対しての関心が高まってきたことも一因だろうと思います。

個人賠償責任保険というのは、何かの保険に、ほんのわずかな掛け金でつけられる、ちょっと「おまけ」的な印象もある保険です。

例えば、子ども対象の共済では、月100円程度の割増掛け金で、家族全員を対象としてつけることができたりします。子どもにありがちなケースでは、他人にケガをさせてしまった場合や、駐車場で車をキズつけてしまった場合が保障されます。

こういった保険は、月々の負担が大きくないだけに、かえって加入していることも忘れがちです。でも、いくら割安な保険だからといって、入っていることを忘れてしまっていては、やはりムダになります。

何だかよくわからないけど、一応‘保険’には入っているんだから、何かあってもまあ大丈夫だろう…」では、ダメです。加入している保険の対象が何であるか、同じ目的のものに重複して加入しているなどのムダがないか、などについても見てみましょう。

生命保険については、「見直し」がよくとりあげられていますが、意外に忘れられがちな「その他の保険」。一度、「わが家の危機管理体制の見直し」を!