【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● ガソリンスタンド日米比較
◇ 9/19 ◇ 栄田育子(CFP)

 アメリカ出張中のこと。
 現地のオフィスの人の車に乗って出かけている途中、
 「ガス(アメリカではガソリンのことを『ガス』と呼ぶのが一般的  です)入れに行っていい?」
といわれ、もちろんOKしたら彼女はドライブの途中でガソリンスタンド に入りました。

 ご存知の方も多いでしょうけれどアメリカでは、ガスの量はリットル ではなくガロンという単位で表示されます。

 そのガソリンスタンドではレギュラーガスが1ガロン=1.6ドルぐらい でした。1ガロンは英和辞典によると3.785リットルですから、1リット ルあたり大体42セント。ちなみに1ドル=107円で計算すると、約45円 です。我が家が普段利用するガソリンスタンドは、最近1リットル95円 ぐらいすることを考えると半額以下です。

 ちなみに 「満タンにするとどれぐらいかかるの?」と聞いてみたら 「20ドルかかることはほとんどないな」とのこと。彼女が乗っている車 は我が家と同じようなタイプの普通の4ドアセダンです。我が家の車に ガソリンを満タンにするとだいたい4500円ぐらいなので、1ドル=107円 ならアメリカはやっぱり半額以下です。うー、うらやましい。

 でも、彼女は言いました。
 「日本のガソリンスタンドのサービスは世界に誇れるよ。」

 アメリカじゃ、ガスは自分で入れるセルフサービスが当たり前です。 だから、元気なお兄さんたちの挨拶もないし、当然窓拭きやごみ捨て、 灰皿の掃除もないし、車道に出るときの誘導も有りません。そうです。 私たちはこれらのサービスに対して、ガソリン代を払うとき、間違い なくサービスに対する対価も払っているのです。

 アメリカに比べて日本のガソリンが高いのはガソリン税が高い(*)か らという理由ももちろんありますが、ガソリンスタンドのサービスの コストを無視できません。

 しかし、日本のガソリンスタンドのサービスって本当に必要なので しょうか? 車の点検などは別にして、たいていのことはお金を払う までもなく自分でできることでしょう。

 ガソリンスタンド側もそれに気がつきはじめていて、日本でもセル フサービスのガソリンスタンドが、規制緩和のおかげで近年登場して きました。我が家も、このセルフサービスのガソリンスタンドを利用 しています。なぜなら、微々たる値段ですが周囲の従来型のガソリン スタンドより安いから。

 セルフサービス型の給油はそんなに難しくありません。レギュラー かハイオクかなど、ガソリンの種類を選んで給油機を使って入れるだ け。やり方がわからなければ一人か二人は店員さんがたいていいます ので教えてくれます。先に、給油機にお金を入れるとその分だけ給油 してくれるという給油機もあるそうです。

 ほんのちょっとの手間を惜しまないことで、安いガソリンが手に入 るなら、セルフサービス型で十分ではないでしょうか?

 セルフサービス型のガソリンスタンドは、初期投資(給油の設備や 機械が従来型とは異なるそうで、従来型のガソリンスタンドがすぐ セルフサービス型に業態転換することは出来ないのだそうです。)を 除けば、ガソリンスタンドを運営する費用は従来型のものより少なく て済むそうなので、今後は日本でも普及するかもしれません。

 もし、あなたの行動範囲の中にセルフ式のスタンドを見つけたら、 利用してみませんか? 浮いたお金はわずかかもしれませんが、ちり も積もれば山となるのは、皆さんすでによくご存知のことですよね。 ぜひ実行しましょう。

 物を買うときやサービスを利用するときはその内容をよく考えて、 必要がなければお金は払わない。これが賢い主婦というものです。

(*)http://www.moc.go.jp/road/zaigen/4.htm