【主婦FPが語る】いまどきの生活のしくみ


● 知れば得する「フクリコウセイ」制度
◇ 8/01 ◇ 高原育代(AFP)

みなさま、こんにちは。高原です。
本当に暑い日が続きますね。丹後の海も、夏真っ盛り。たくさんの、海水浴を楽しむ家族連れや若い人たちがやってきます。

さて、みなさんの夏休みはどのように過ごされるのでしょうか。
夏休みといえば、やっぱり「旅行」という方も多いと思います。
一口に旅行といっても、日帰り旅行から長期の海外旅行まで、人それぞれ。

旅行というと、私は、何ヶ月も前から、日にちの設定、宿泊先、交通手段など、計画段階からあれこれ考えていくのが楽しみです。

「さあ、いついつのお休みは、家族みんなで旅行だぞぉ」っていうとき、みなさんはどんな計画の立て方をされるでしょうか。

さっそく旅行会社へ出かけていってパンフレットを集めますか。新聞の折り込み広告に入っているバス旅行もなかなか楽しそう…。クレジットカードの請求書といっしょに送られてくるものの中にも、お手軽なプランがあったりします。

でも、その前にちょっと。
ご自分がお勤め、あるいはご主人がお勤め、という方なら、まずは勤務先の福利厚生(ふくりこうせい)制度を利用することもお忘れなく。
会社勤めでない方も、何らかの組合や団体に属して、同等の制度を利用できる場合もあるかもしれません。

「フクリコウセイ」って、なんか難しいことばのようですが、「福利」とは「幸福と利益」のことですし、「厚生」とは健康を保ち、増進する、というのが本来の意味。つまり、会社の従業員や団体に属する人とその家族のためのしくみなのですから、利用しなければソンソン、というものなのです。

ただし、この福利厚生制度は、とにかくその勤め先や団体によって、中身は本当にさまざま。例えば、先ほどの旅行に利用する場合でも、独自の保養所を持っている会社もあれば、会員制のホテルを、登録している複数の会社で利用できる形式、一定の宿泊施設を利用したときに、助成金として還付する形式など、いろいろあります。

しかも、福利厚生制度は、レジャーに限ったことではないのです。

利息の課税面で絶対に有利な財形貯蓄制度は、もう利用している方もあるでしょう。その他にも、人間ドックなどの検診費用を助成したり、在宅介護が必要な場合に介護機器のレンタル料や購入費用の助成をしたりする保健関係制度、急にお金が必要になったときに利用できる融資制度など、人によって準備されている制度はいろいろあるはずです。

それから、どこの家庭でも一つぐらいはお世話になっているだろう、生命保険。
これだって、制度の中に「グループ保険」というものが準備されているのなら、本当は民間の生保レディに勧誘されて入ってしまうよりおトクなのはもちろん、郵便局の簡易保険や、その他の共済を検討する前に、是非とも利用するべきものなのです。

グループ保険は、払い込む保険料が安くてすみます。どうしてでしょう。

引き受ける生命保険会社側から考えると、まず、生保レディや広告にかける経費がいりませんよね。高い費用をかけて、契約者を募集する手間がいらないのですから。それに、保険金を支払わなければならない確率、つまり危険率を低くすることもできます。一般の誰でも入れる保険の場合は、ひょっとしたら、病気やケガの確率が高い職業の人が加入して、保険金を支払わなければならない確率が高くなる可能性があります。もっと極端な場合、保険金サギを初めから考えているような人が加入することもありますよね。

保険会社側からすると、一定の信頼をおける会社や団体と契約することがメリットとなるので、保険料を安くすることができるというわけです。

これらの制度、とにかく「知ったモン勝ち !」です。
本当は、自分の勤務先にはすばらしい制度が準備されていることもあるのに、知らないでソンをしている人もあるはずです。

まずは、思い立ったら調べてみる。何かないか、さがしてみる。
思いがけないしくみを見つけられたら、ラッキー!!