【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆住宅は今が買い?住宅ローン減税の概要
○ 12/15 ○ 深川悦子(AFP)

 「いいわねぇ。いまどき、家って簡単に買えるから。私たちの時代はね…」とたまに年輩の方 にいわれたりします。

 確かにそうかもしれないですね。昔にくらべると住宅購入に関する様々な条件が変化し、私の ような若い世代でも頭金無しで簡単に住宅が購入できるようになりました。
 それに、格安の中古物件も多種多様にあり、新築を購入しなくてもリフォームさえすればかな り住み心地の良い住宅になります。(実際、我が家は築22年の中古住宅を購入しましたし(笑))

 さて、最近のニュースでは住宅ローン減税の話題がよく出ていますが、みなさんは大筋の概要 はもうおわかりになっていらっしゃいますでしょうか?
 まだおわかりでない方のためにサッと概要を書かせていただきます。

 ●控除期間を15年から10年へ短縮する
 ●控除額合計は587万5000円から500万円に圧縮
 ●有効期間は2001年7月〜2003年3月末までの2年半

 後、これに合わせて住宅取得資金として両親から贈与を受ける場合の非課税枠も拡充されるこ とになりました。

 『現行』 基礎控除額(年間60万円)の5倍 [300万円]
              ↓
 『新制度』基礎控除額(年間110万円)の5倍 [550万円]

 この控除の変更で差額が250万円増えることとなりました。
 その上、控除期間の控除率も現行の「1年から6年目までが1%、7年目から11年目までが 0.75%、12年目から15年目までが0.5%」ではなく、「10年間一律1%」の控除と なりました。とにかく、この二つを抱き合わせる形で現行の制度との水準を保とうということみ たいです。

 しかし、政府も引っ張りますねぇ(笑)
 前回もそうですし、期限を切って付加価値をつけ、需要をのばそうというのが見え見えかも。 でも、それが政府の方針であり、国民もそれに上手にのれば景気も徐々に回復していくというものですよね。

 さて、話はちょっとずれてしまうのですが、私は最近、中古住宅の広告をみて、「あれ?」と 思うことが多々あります。

 最近建ったばかりのマンションや一戸建て住宅ががもう売りに出ている…なんてことがあるか らなのです。 一体どういう事情で売りに出されているのかは定かではないのですが、原因の一つに、住宅ロ ーンを組んだはいいが、結局支払えずせっかく手に入れた住宅を手放すという方がいらっしゃる のではないかと思います。

 住宅を簡単に購入できる時代になったからこそ、逆にこのような事態がおこっているのでしょ うね。不動産屋さんによっては、ウソを申告してまで住宅ローンを通す会社もあるくらいですか ら・・・。

 私は、住宅購入を希望されているお客様に  「ローンは年間手取額の3割以内で計算できるくらいに考えておいた方がいいですよ。」 とアドバイスをします。人によっては、年収の3割以内とおっしゃる方もいるでしょう。  しかし、住宅を購入するということは、ローンだけではなく、他にも様々な経費かかかってき ます。

 固定資産税や住宅修繕費、マンションなどの共同住宅の場合は、管理組合などの管理費や自治 会費なども必要になってきます。これらの経費は意外と見落としがちなんですよね。でも、住宅 ローンとは別に、必ずといっていいほど必要な経費になります。

 ですから、この辺りも配慮していただいて、購入後思ったよりローンがキツイというような事 態だけはさけていただきたいのです。

 期間が15年の住宅ローン減税が年明けの6月入居分で期限切れだからといって、資金もない のに住宅購入に飛びつくのも考えもの。確かに今なら金利も安いし、返済額も少なくて済むでし ょう。

 しかし、その前に『生活設計ありき』です。

 子供さんの出産や教育資金。その他、自分たちの老後のことまで考えてからでないと、住宅購 入が可能かどうか判断できません。まずは、各ご家庭のライフプランをよく考えてから購入に踏 み切ってくださいね。

 金利の情報 : 「住宅金融公庫」 http://www.jyukou.go.jp/