【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆「らいおんハート」の心が欲しい出産後のライフプラン
○ 12/01 ○ 西島直子(AFP)

 最近のホットな話題といえば、キムタクと工藤静香の結婚宣言。
 二人ともとても幸せそうでこちらまで暖かい気持ちになりましたし、堂々としていて ステキな記者会見でしたね。
 「『らいおんハート』を歌っているときにどうにかなりそうだった」というフレーズ がとっても印象的でした。

 ただ、あのくらいの年齢の男らしい人であれば、ごくごく普通の発表に思えましたけ ど、報道の凄さといったらちょっと閉口ぎみ。 キムタクの株は上がったのでしょうけ ど、ちょっと持ち上げ過ぎでは? それともそういう男らしい人がめっきり減ってしま ったせい?

 それはさておき、工藤静香は芸能界を引退せず、細々かもしれませんがそのまま活動 を続ける方向とのこと。

 「子供が授かったら、仕事は続ける? それとも辞める?」

 これって、働く女性にとって、たいてい一度は考えるコトですよね。
 工藤静香は引退しないということでしたが、あなたは、どちらでしょうか?

 昔は結婚退社が大多数を占めていましたね。

 その昔、女性が家庭を守って、男性が社会に出て稼いでくるのがごく普通の生活になっ ていました。今はそういう意識は薄く、家庭の中で活躍の場を位置付けられたということ だと思います。仕事を辞めて、専業主婦として活躍するというのも、ひとつのすばらしい 人生ですよね。

 その後、時代とともに、結婚では辞めることなく出産退社へと移り変わり、そして、出 産後復帰して、結婚・出産のタイミングでは退社しない方向へ傾いてきつつあります。

 これは、最近の消費状況は女性の心を上手く掴んだところに勢いがあることから、企業 側からみて、女性の感覚・発想が企業活動の中でとても大事な存在になってきたことがひ とつありますね。逆に、働く側からみて、”自己実現の貴重な場”としてなど思いは人ぞ れぞれでしょうが、仕事に対する意識の変化が見られます。

 この2つの立場から見ると、簡単に書けば「働いてほしい」「働きたい」ということで、 お互いに同じ方向を向いているため、これが合わさって大きな力となって「働き続けられ る」状況になってきているのでしょう。

 そして、それぞれの希望・意思だけでなく、子育てしながら働く女性にとっては、社会 的に手助けしてくれる制度も少しずつ改善され、昔に比べ働きやすくなってきています。 例えば、産前産後休暇は、出産前後の休暇ですので大前提として、そして、育児休業制度 は、働く人にとって女性男性に限らずあってしかるべきともいえますが、来年1月からさ らに改善される嬉しい制度ですね。

 また、民間の方でも、子育てしながら働く女性に追い風が吹いています。駅や会社に託 児所が出来てお迎えの往復時間削減になったり、最近は食料品・洗濯の宅配、ケータリン グサービス、お掃除サービスがあって家事の負担が減ったり、生活の便利さの向上といっ たらすざましい勢いですね。

 仕事を続けるという選択肢を選ぶ女性が増えたのもうなづけます。小さいうちから子供 をあずけて仕事を続けるのを希望している人にとって、改善される環境の中で、やりたい と思う仕事を続けられるわけですから。

 さて、ここまで話を進めてきて、「私は、どっちでもないわ」という人も少なくないと 思います。
 そうなんです。今までの話は「そのまま続けるか、続けないか」という話であって、「 続けたいのだけど、それはしばらく経った後に」ではないのです。

 よく聞いたりするのは「3歳くらいまで、または小学校に上がるまで子育てして、その後 仕事復帰をしたい」という要望。
 3歳神話は科学的に証明されたわけではないですが、「そのくらいまでは子供と一緒に過 ごす期間があってもいいのではないか」と思う人もいるということなのです。

 現在の育児休業制度では、1歳までの子供を対象としていて、それ以上の場合は、在宅勤 務などの方法を除き、いまのところ大抵一旦辞めるしか方法はないと思います。

 そして、一旦辞めたあとの仕事復帰というのは、子供など家庭状況、年齢、仕事のブラン クなどの自分自身の問題が色々あってなかなか難しい状況です。フルタイムで働け、能力も 常日頃から磨いていて、すぐ社会情勢に馴染んでいけるのであれば、別なのでしょうけど。 甘えている訳ではないけど、そうはいっても・・・。

 それならパートタイムでという話も聞こえてきそうですが、日本の現状では、「パート= 安い賃金で働いてくれる人」という意味合いが強いように思えます。やる気があって能力も ある人を安い賃金で雇えてラッキーなんて思っているなら、それはちょっとムシのいい話。 パートタイムとフルタイムを比べ、仕事内容・責任などが一緒であれば、時間が短いという 違いだけなのです(もちろん、お給料は時間割合分少なめ)。そこのところを認めてくれな いのはなぜ? と思ってしまいます。

 もちろん、いろいろな働き方を認めるという意味で、仕事内容が補助的なものであって、 仕事や地位のアップを望まない働き方があってほしいとも思います。

 少子高齢化がどんどん進み、労働者不足から外国人労働者受け入れ問題などが盛んに議論 されている中、十分活躍できる身近な人材を忘れていませんかね?

 最近の働き方は多種多様化してきていますし、転職はもちろん、元の会社に復帰するとい う出戻り組まで登場し、人間性と能力さえあれば道は開けなくはないという状況です。 ですから、女性の仕事復帰についてもその道を開いてくれるような状況になってほしいもの です。

 会社はやっぱり人で成り立つもの。いかにその人にやる気や能力があっても、様々な生き 方がある中で、環境があわなければムリが生じてきます。少子高齢化の改善にも絡んでくる 問題ですので、「らいおんハート」のように大きく包み込むような心を持って、国にも企業 にも、誰にとってもよい方向で実現するためにはどうすればいいか、ということから、仕事 復帰に向けてやる気と自己啓発をバックアップする環境の整備に取り組んでほしいと思うの です。

 悩める女性の皆さん、環境がよくなるように声を出しつつも、チャンスは狙い待ち!
タイミングよく飛び出せるように、自分を磨きつつパワーを蓄えておきましょうね。