【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆魅惑のアウトレットモール
○ 11/24 ○ 栄田育子(CFP)

 先日、久々に平日に夫婦とも休暇が取れた栄田家は、「御殿場プレミアムア ウトレット」へ出かけました。

 我が家から片道約100Km。ちょっとお出かけするにはちょうどいい距離です。  平日なので高速もすいすい進み、出発から約1時間で到着しました。

 実はこのアウトレットはかつて「御殿場ファミリーランド」という遊園地だ ったのですが、それを閉鎖してアウトレットモールにしたというわけ。高速の インターチェンジから10分ほどという交通の便のよさもアウトレットモールに 適しているようで、平日だというのに来場客はずいぶん多いように思えました。

 最近、このようなアウトレットモールが増えているようです。  そして、このモノが売れないといわれているご時世にどこのアウトレットモ ールも大盛況だそうです。なぜでしょう?

 最近ショッピングはエンターテイメントだと言われます。
 楽しくお買い物できないところには、お客さんが来ないというわけです。  楽しいお買い物の条件は人によって異なるでしょうけれど、ほとんどの人に 共通しているのは

  ・価格が安い
  ・商品のバラエティが豊富

の2点ではないでしょうか?

 栄田が知る限り(ちなみに栄田は国内4箇所のアウトレットモールに出かけた ことがあります)、アウトレットモールはこの2つの条件を満たしているように 思います。

 先日出かけた御殿場プレミアムアウトレットにはショップが約80店舗ありま す。80店舗の中には、もともと価格がリーズナブルな無印良品のアウトレット から超高級ブランドのMaxMaraやデンマークの超高級食器メーカーのロイヤル コペンハーゲンと種類もブランドもさまざまでただぶらぶら歩いているだけで も目の保養になって楽しいです。しかも、これらすべてが定価よりかなり安い わけですから、楽しいお買い物を約束してくれているようなものです。だから こそ、みんな出かけるんですね。

 消費不況と呼ばれる中、安くて楽しいショッピングを求める賢くなった消費 者を満足させるためにはどうしたらよいか? ということを考えた結果、アウト レットモールが増えているのではないでしょうか?

 アウトレットモールの増加は違う側面でも景気に貢献していると思います。

 アウトレットモールは大抵都市部からちょっと離れた郊外にオープンします。 なぜなら、安いものを売るので売上はそれほど多くないのに店舗をたくさん確 保するためには、広い土地が必要だからです。結果として、アウトレットモー ルのオープンは、郊外での求人を産み出します。失業問題がクローズアップさ れている中、大量の求人は地域経済への貢献度は大きいでしょう。

 メーカーにとっては、廃番になってしまったり、わずかの縫い目のずれなど で正規の流通方法では売れないモノもアウトレットモールでなら売れるわけで す。無駄な在庫を消費者に喜んでもらうというおまけつきで買ってもらえるわ けですから、こんなにありがたいことはありません。

 楽しいショッピングができるアウトレットモール。
 飽きっぽい日本人がいつまで飽きずに出かけるかわかりませんが、今の日本 の消費者の心をとりあえずはがっちりと捕らえているようです。アウトレット が流行っているってこと自体、消費不況の象徴のような気がしてならないけれ ど、そんなことは気にしないことにします。私だって、一消費者です。安くて 楽しいお買い物は大歓迎ですから。