【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆どうちがう?国のトップの選び方 〜日米の選挙制度の違いと問題点〜
○ 11/17 ○ 深川悦子(AFP)

 史上最大の大接戦がくりひろげられていたアメリカ大統領選。選挙の結果、 どうやら勝利の女神は共和党のブッシュ氏にほほえみそうな雰囲気です。

 しかし、良いですよね。私は連日の報道を見ていて、アメリカ国民の大 半が政治に参加しているって感じが本当にうらやましく思えてしまいました。
 
 「私も、自国の国家元首の選挙に投票をしてみたいよなぁ・・・。」

 知ってのとおり日本に住んでいる私たちは、直接総理大臣を選ぶ ことはできませんよね。
 アメリカは国民によって直接的に大統領を選ぶシステムなのに対し、日本は 「議院内閣制」によって議員を通して間接的に首相が選ばれるシステムに なっているのです。

 「議院内閣制?なんとなく聞いたことがあるような気がするな。」

 ちょっと、うろ覚えなかたのために【議員内閣制】を簡単に説明すると、

 ◎「内閣が国会の信任の上に成り立っている」ということが大前提。
 ◎内閣総理大臣および閣僚は、たいてい国会の多数党か、もしくは多数を制する連合政党からえらばれることが多い。
 ◎内閣は国会に対して連帯責任を負わないといけない。
 ◎野党からの提案で内閣不信任案が国会で可決された場合は、10日以内に衆議院を解散しない限り、内閣総辞職をしなければならない。

 最近の報道で、アメリカ大統領選のことはマスコミでも取り上げられていた ので記憶に新しいかもしれませんが、意外と自分の国の制度って記憶の彼方に ほうむられていることが多いですよね(笑)。 とにかく、この制度が日本の政治の確たる部分になっています。頭の隅にで も記憶しておいてくださいね。

 「頭の隅におくのはいいとして、結局は選挙としてはどっちが良いの?」

 う〜ん。正直、一長一短というところでしょうね。 アメリカの選挙制度は「ウィナー・テイクス・オール」と呼ばれるしれつな 選挙制度を採択しています。 これは各州ごとに得票数が多かった大統領が、その州の選挙人を総取りする ことができるというのが特徴なのですが、この制度は以前からある問題点が指 摘されているのです。

 今回のケースですと…

 〜全米の得票数ではゴア氏の票が多いのでゴア氏の勝利かと思いきや、実際は 、ブッシュ氏が得た選挙人の数が多いのでブッシュ氏の方が勝利に近い。〜

 ゴア氏は声高らかに「民主主義へのぼうとくだ!」と演説をしていました。 確かに変ですよね。民主主義の原理からいえば勝利しているのはゴア氏なん ですから。 この妙な現象がアメリカ型選挙制度の問題点といわれています。

 対して日本の選挙制度は、国民が選んだ国会議員を通しての首相選出とな ります。これが間接的に首相が選ばれるということですね。 それでは、この制度の問題点はなんでしょうか?

 これはいわなくてもわかりますね(笑) なんてったって森総理。支持率がほとんど低空飛行状態なのにまだ続投し ています。 そうなんです。支持率がどんなに低くても、与党からの支持がある限り、 国民の意思は無視されてでも首相交代の可能性が低いんです。

 これは、内閣や政党のなれあいというのでしょうか。国民から直接の関与 が少ないかわりに、正常に政治が機能できにくい体質になってしまったのです。

 とにかく、いずれの選挙制度も今では問題点を指摘されることが多くなっ てきました。もっとも、これらの制度は両方とも通信網が発達していなかっ た頃に土台が出来た選挙制度ですからね。時代が変わって、問題点がでてき てもしかたないように思います。

 それでは、どうすればいいのでしょうか?

 新たな選挙制度を模索するのも重要なことなのですが、私たちがこれから の未来をゆだねられる本当のリーダーシップを取れる人をえらぶ目をもつこ とが一番重要になってきます。
 選挙制度がどうであれ、私たちが普段から政治に関心をもちつづければ、 誰が良い議員なのか段々見えてくるように思います。

 そうですね、一例として良い議員を選ぶ目安に、国会での議員の質疑応答 をチェックされるとなかなかおもしろいかもしれませんよ。

 そして私から最後に一言。
 「政治と経済は車の両輪。」
 どちらが欠けても前には進めないですよ。


【国会をチェックしよう!】
 衆議院のHP http://www.shugiin.go.jp/itdb_main.nsf/html/index.htm
  (意見窓口「憲法のひろば」にて、国民の意見を募集しています)
 参議院のHP http://www.sangiin.go.jp/
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