【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆いまどきの "平均的家庭"
○ 6/29 ○ 栄田育子(CFP)

 日曜日の朝日新聞だったと思います。正確に覚えていませんが、「平均的家庭」と呼ばれる、働き手は夫だけで、妻と子供を養っている家庭はどんどん生活が苦しくなるといったことが書かれていたように思います。あまり、いい話じゃないですね。

 「平均的家庭」とか「標準世帯」という言葉をよく聞くような気がします。電気やガスの料金の値下がり、値上げのニュースの時に聞くこの言葉は、どうやら、先ほども書いたように夫婦と子供2人で夫のみが働き手の家庭を指すようです。

 でも、栄田はいつもこのたぐいのニュースを見たり聞いたりすると思うのです。いわゆる「平均的家庭」の割合はどれぐらいなんだろうと。

 かくいう栄田も、夫と2人で暮らしているわけで、この「平均的家庭」にはあてはまりません。だから、「夫婦と子供2人の標準世帯では月額xx円の値下がりになります」といわれてもいつもピンときません。また、自分の周りを見まわしても、世代の問題なのかこの平均的家庭の人にあまりめぐり会えません。というわけで、本当に平均的なのかどうかいつも疑問に思うのです。

 最近の事情はあまり詳しくありませんが、ちょっと前までのライフプランを作るソフトウェアはこの「平均的家庭」を基準に人生設計をしてくれていました。保険の外交員のセールストークも「平均的家庭」の一生をもとに語られていました。

 しかしながら、DINKSもシングルマザーも珍しくなく、産まれてくる子供も少なくなったこのご時世、「平均的家庭」をモデルに作られたものは、まったくなじまなくなってきています。人によって参考にすべきものが変化しているのです。

 つい、参考にしたくなるこの「平均的家庭」に基づくデータですが、この際忘れてしまってはいかがでしょうか?自分の家庭におけるスタンダードを持つのです。自分自身のスタンダードに基づいて、生活していくことは余分なこだわりを捨てることにもなり、本当にこだわりたい部分にお金をかけられるようになると思います。つまり生活の満足度が上がると思われるのです。

 生活の満足度が、家族構成によってのみ左右されるとは思いませんが、自分たちになじまないものを基準にする必要はないと思うのです。そして、自分たちの基準を満たす為に収入が足りないと言うのなら、収入を増やすことを考慮しましょう。

 冒頭で挙げた朝日新聞の新聞記事は「平均的家庭の一生」を考慮すると、働き手が夫だけでは、お金が足りなくなると言う意味でしょう。間違っていない予想かもしれませんが、このニュースに過剰反応する前に自分の生活を客観的に眺めてみることをお勧めします。何でも人と同じであればいいというわけではないですよ。


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