【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆さて、どうなる?!予定利率
○ 6/22 ○ 深川悦子(AFP)

 先日から、新聞やテレビで報道されている生命保険会社の予 定利率の引き下げに関する話題。みなさんも一度はこの【予定 利率】という言葉を耳にされたことがあるかと思います。しか し、耳にしたことがあっても予定利率が一体どんな形で私たち に関わっているのかわからない方が多いかもしれませんね。

 生命保険の予定利率とは保険会社が将来の保険金支払いや貯 蓄商品の満期金を支払うために、契約者の方々から預かった保 険料をある程度の予測で「これだけの利率は確保しますよ」と いっている運用利率を表しています。

 単純にいうならば、銀行や郵便局の利率ですね。100万円 を年率1%で運用すると1万円の利子がついてきますよね。こ れと似たような感じだと思ってみてください。

 でも、似たような感じとはいえ保険の場合”保障を購入して いる”という感覚が強いので、保障と運用という言葉がうまく かみ合わないかもしれません。
 しかし、実際は保険会社が契約者の方から預かった保険料を 運用することによって、いくらの保険料でこれだけの保障を買 うことができるというようなことが決まってくるものなので、 私たちにとって”予定利率はかなり重要なもの”となってくる のです。

 さて、ここで話を予定利率の引き下げの件に戻しましょう。  現在、報道されている予定利率の引き下げは、保険会社自ら が訴えているものではなく、実は金融審議会が提案している話 なのです。

 では、なぜそのような機関が予定利率の引き下げを容認する ような動きをみせているのでしょうか。

 みなさんもご存じの通り、ここ数年で保険会社によっては経 営危機に陥っているところがでてきています。実際、破綻した 保険会社もあるくらいで・・・。 なぜ破綻したのかというと 、バブル期に5%〜6%というような予定利率を提示した商品 の運用に息詰まったのが原因。

 このような事態を避けるために、予定利率を一定の条件のも とで引き下げることを可能にしようではないかということなの です。うまくいけば、現在、生命保険会社が抱えている負担を 軽減することができ、保険会社破綻の可能性も低くなってきま すよね。契約者からしてみれば、破綻するわ、予定率を引き下 げられるでは、まさに踏んだり蹴ったりって感じですもの。規 制が緩和されれば今後の生命保険会社破綻の危機は回避できる かもしれません。

 でも、この法案に対し各生命保険会社はこの制度を利用する 気はないと発言しているようです。

 もし仮に、自分が加入している保険会社が予定利率を下げた とすればみなさんはどのような反応をしますか?
 「もしかしたら、この保険会社危ないんじゃないの?」
 そうですよね。
 今まで数社保険会社が破綻をしてきたのを私たちは見てきた んです。この判断を会社側が間違えば、運用利率を下げて契約 者の安全性をはかるために行ったことであったとしても、自社 からの契約者離れにより逆に破綻に追い込まれる場合も考えら れるからです。それだけ、保険会社もこの判断には神経をとが らせざるを得ないのです。
非常に難しいところですよね・・・。


 やはり、このような時代に私たち自身ができることは、現在 加入している保険会社の保険財務力などを調べたり予定利率の 変化などを調べたりして自分自身で自分を守るしかないのかも しれません。みなさんも、このような話題を機会に、もう一度 加入している保険会社の財務力や予定利率を確認してみてはい かがでしょうか?
 そして、「保険は保険」「貯蓄は貯蓄」というような考え方 など、自分自身のスタンスを改めて見直してみるいい機会かも しれませんよ。


●保険財務力 S&P ・・・ 
http://www.standardandpoors.com/japan/gate.htm



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