【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆要チェック!あなたのパート労働環境
○ 5/25 ○ 西島直子(AFP)

 去年の秋から冬にかけてのCMだったと思います。うろ覚えなのですが、 確か「共働きの世帯は四十数%。お母さん、いつもご苦労様です。」という フレーズで西田敏行がある会社のポン酢を宣伝していたのです。

 この”共働き四十数%”という数字を聞いてみなさんはどう思われますか ?  私はその時、この数字を聞いてこれがフルタイムの労働者のみを対象にし ているなら「かなり多い」という感じがしましたし、またパートタイムの労 働者を含めたら「それほど多くない」という印象を持ちました。

 これに関連して、最近の女性労働に関するデータを見ますと、全雇用者の 中で女性は約40%を占め、統計開始後初めて40%台に乗ったとのことです。

 そしてまたここ数年の傾向として、経済の低迷を代表とする社会情勢の影 響と、私たちの価値観の多様化が重なり、正社員でなく、パート・派遣・契 約社員などの非正規型労働者が増えています。女性の労働に関しては特に、 正社員の減少分ちょうどパートが増加している状況で、平成11年中に限って は、正社員よりパートとして就職した女性が4万人近く多くなっています。

 最近の女性の社会進出の勢いは、マスコミ報道でも取り上げられていると おりです。一家の大黒柱の給料・ボーナスが減ったから、自分も社会に関わ りたい、経済的に自立したいからなど理由は様々だと思いますが、人生の一 部分として楽しく充実したものにしたいですね。

 ただ、この非正規型労働者が増えるにつれ、そういった方の労働に関する 苦情・悩み・相談が増えているようです。賃金などの待遇や雇用の継続に関 することが多いようですが、このような労働に関して不安や疑問があっても、 どこに問題があるのか糸口すらわからないと、解決へのとびらを開けること が出来ません。ということで、今回は、最近増加が著しいパートタイム労働 にスポットをあてて最低限確認しておきたい事項をご紹介します。

 まず前提として、パートタイム労働者にも労働法などの法律は原則適用さ れます。平たくいうと、労働者としての権利などで、例えば以下のようなも のが保障されます。

 ○勤務条件を満たすと、週の労働日数と時間によって年次有給休暇が取得 できます。
 ○労災保険が適用されます。例えば、仕事でケガをしたり病気になった場 合に、病院でかかった費用を全額負担してくれるなど。
 ○労働時間や期間が一定以上であれば雇用保険が適用されます。  
 ○健康保険・厚生年金保険は、週の労働日数と時間が一定以上であれば加 入できます。

 ※詳細は、こちらで。→ http://www.jiwe.or.jp/gyomu/partt/data/index.html

 今働いている人は、ご自分の状況と照らし合わせてみてどうでしょうか?  「そういえばどうなっているのかしら?」という部分は多いのではないか と思います。これらがどうなっているのか、又、現状況が正しいのかを確認 するには、労働条件を見てみる必要があります。

 ご自分の労働条件をきちんと把握されている方は、それをもとに確認して もらえばよいのですが、いまひとつ分からない人は今からでも遅くありませ ん、会社に確認してみることをお勧めします。

 この労働条件は、労働法において、働く約束をする前に書面で明らかにし ておく義務を会社に負わせています。これは労働条件通知書と呼ばれるもの ですが、パートタイム労働者の場合には、努力義務になっているため口頭に よるものが多いと思います。そのような場合、メモでも残しておかない限り 内容があやふやであったり、漏れている項目があったりしがちですね。

 そういったことで後から悶々と悩んだり、トラブルにならないように、最 初から色々聞きづらいというのもあるかもしれませんが、働く前にきちんと 労働条件を確認しておくことが必要です。出来れば書面が望ましいですが、 なかなか難しいでしょうから少なくとも、口頭で確認したことはメモに残し ておきましょう。そうすることによって、気持ちよく仕事をすることができ ると思います。

 昔は、パートタイムというと補助的な労働というふうに見られていました が、今はこの人々の存在がなくては仕事が成り立たないという状況になって います。ぜひ、そういう意識をもっていただき、その上で労働環境がよりよ くなっていくよう、会社の方も努力して欲しいことはもちろんですが、個々 人もできる範囲のことをしていきましょう。

 コラムで女性の労働者として取り上げることがなくなるくらいこれからの 女性の活躍を期待・予感(?)しているところです。