【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆伝家の宝刀!日銀政策のその後は!?
○ 3/23 ○ 深川悦子(AFP)

  「とうとう日銀も、最後の手を使うしかないのか・・・。」

  「日銀、量的緩和を決定!」と書かれた3/20の朝刊を見ながら、 これで本当に日本は立ち直れるんだろうか?とちょっと怖くなってし まいました。

 なぜ私が怖くなったのかという話は後に回すとして、みなさんには 先に「量的緩和」について説明をさせていただこうと思います。

 そもそも量的緩和とは、端的にいうならば、現在、金融機関以外の 民間機関に出回っている現金の量を意図的に増やし、世の中に現金を あり余らせる政策のことを指しています。

 しかし、なぜ現金を余らせることにより今回の景気が回復されるの でしょうか?

 みなさんもご存じの通り、今回の不況の原因はデフレによるもの。 このデフレを解消するために現金を余らせることにより、意図的に軽 いインフレを起こそうとしているのです。インフレが起こると一般的 な物価水準が継続的に上昇し、現金価値が下落しますよね。そうなる と現在の物価下落に歯止めがかかり景気回復の糸口が見えてきます。

 例えば、量的緩和を行うことで日本国債の金利は低下し、それによ り必然的に円安現象が起こります。円安になれば・・・

 ●輸入製品の価格は上がる(=”輸出産業は利益が上がる。”アメリ カはこれを嫌がり日本の内需拡大のみを求めている)。
 ●輸入製品を利用して何か作っている企業の商品が値上がりすれば自 然と私たちの財布の紐もゆるめざるを得ない。

 本当にこのようにうまくいけば、現在流動が押さえられている資金 の流れも円滑になりデフレから脱却できるかもしれませんよね。 とにかく、普段なじみの少ないこの政策ですが、今後の日本を生かす も殺すもあなた次第という1つのキーポイントになるんです。(しか し、諸悪の根元は金融機関の不良債権ということをお忘れなく!)

                                                   *

 さて、話は戻って冒頭に書いた”私はちょっと怖くなってしまいま した”の理由ですが、最終手段とはいえ、不良債権(*)に対する政 府の対応に疑問を持った状態でこのまま「今後の日本を生かすも殺す もあなた次第」という伝家の宝刀量的緩和を実施しても大丈夫なのか ?という不安からきたものです。
 今の政府は今回の日銀の措置に対しても、某野党が「政治が日銀に 自らの責任を転嫁した」と与党を批判するだけ。「あのさぁ〜、批判 する前に何か政策出してからいったらどうよ?」となんだか悲しくな ってしまいます。

 まっ、私情はともあれ、以前のコラムでもお話させていただいたよ うに「政治と経済は車の両輪」ですから、どちらが欠けてもいけない わけです。しかし、現在の日本は、政治の道筋がたたないので経済が コケてしまっているのが現状。
 このような政府の舵取りの中、量的緩和を実施したはいいものの今 後インフレが本当に起こった場合の処置が的確にとれるのかどうかが 怖いのです。もうバブルの二の舞だけはごめんです。


 なんだか、政府にだけ責任を押しつけたような話になってしまって いますが、実はそうではないことは賢明な読者の方ならおわかりのは ず。

 「権力闘争に血迷っている政治家を国会に送っているのは誰なのか ?」

 これを絶対に忘れてはいけませんよね。そして、それをふまえた上 で”今後の日本がどうなっていくのか?””私たちは今後なにをすべ きなのか?”を真剣に考えなければいけない転機にさしかかっていま す。これって、ある意味すごいことですよ!人生何事も勉強ですから ねっ(笑)
 まずは、今回の措置で今後インフレが起こる可能性がでてきたので あれば、私たちは物価が良いように上がることに対しては敏感に好感 し、急速なインフレが起こった場合にはそれなりの対応ができるよう にインフレというものを生活の中で感じながら研究することから初め てみてはいかがでしょうか?


(*)3/19に米国で行われた首脳会談では、金融機関の不良債権 問題について、森首相が米大統領に「早く処理しなさい」と警告され てしまいました。それに対して森首相は「半年以内には目処をつけま す。」と約束したのです。これ、本当にしないと日本の信用がた落ち の上に、景気回復見込めませんよね。