【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆「DV」って何?
○ 3/09 ○ 西島直子(AFP)

 突然ですが、「DV」と聞いて何の略かピンときますか?
最近は、カタカナ用語や英語の頭文字を取った略語を大量に見かけるように なって「それって何のことだったっけ?」という感じにもなっていますよね。

 今回取り上げるDVとは、最近購入する人が増えてきた「デジタルビデオ (Digital Video)」ではなく、「ドメスティック・バイオレンス(Domestic Violence)」です。

 先日、女性の危機管理と題した講演を聞きにいく機会があって、その中で DVやセクシャル・ハラスメント、ストーカー行為についての現状から問題 解決方法、法的規制についての話がありました。 参加者には圧倒的に女性が多かったのですが、男性もひとりふたりくらいい まして、最後の質問タイムには、セクハラやストーカー行為で悩んでいらっ しゃる方が、対処方法についてアドバイスを求める声もありました。関心の 高さや切実な悩みがあることが身近に感じられたひとときでした。

 さて、ドメスティック・バイオレンスとは、「夫(妻)、恋人からの身体的、 精神的、性的、経済的暴力」のことをいいます。 夫や妻には、内縁関係のものから、愛人、元夫婦も含みますし、恋人には 元恋人も入ります。

 ここでいう暴力とは、単なる夫婦ゲンカや1回きりの平手打ちなどちょっ とした家庭内暴力ではないということです。 社会的、経済的、身体的に不平等であることから生まれるものなので、ある 意味、言葉による精神的暴力や家庭状況によって悩むこと自体も表面に出な いわかりにくい暴力としてDVのひとつにもなり得るのです。

 離婚の原因としてDVの割合も多く見られるようになりましたが、性格の 不一致という原因に実は精神的な暴力が含まれているだろうという見方も出 来そうです。

 コミカルタッチのテレビドラマの中で、虐待を受けている妻が様々な葛藤 のなか、代書屋の助けを借りて離婚へ踏み切るというのがありました。 最初は、色々話し合いを試みたにもかかわらず、暴力はエスカレートし、何を いってもダメで仕方がないからあきらめている状態。 そこから、ちょっとしたきっかけ(差しのべられた救いの手)をもとに気持ち が変化し、自立を目指して離婚をするというものです。

 この「きっかけ」と「自立する強い意志」がポイントなんでしょうね。 日本の女性は、日本人的性格からか忍耐力はかなりのものですし、情が沸く ということもあって、「自分さえ我慢すれば」「このくらい我慢すれば」と なかなかきっかけがつかみづらい。そして、社会から離れていた人にとっては、 経済的自立をする不安もあって、なかなか決心がつきにくいものだと思います。

 とはいえ、言うほど簡単ではないですが、色々な人の助けをかりながら「幸せ は自分で切り開いていく」しかありませんよね。


 最後にひとつクエスチョン。
長い間虐待を受けていた妻が、眠っている夫を殺害したら、正当防衛になる?  ならない?

 そんなの精神的にも参っていて、心のコントロールが出来ない状態なのだか ら、正当防衛でしょうという声も聞こえてきそうですが、答えとしては、NO であることが現状では多いとのこと。 社会全体でのDVへの意識改革が必要ということが分かりますよね。

「殺そうと思う前に、まず受け止めてくれる人に相談を」と、弁護士さんから ひとこと。

 十分とは言えませんが、一時保護の援助もありますし、法的に刑事・民事の 手続きもすることもできます。


 なんたって、幸せな生活が一番。
 DV法をつくる動きもありますが、こういう情報さえなければ被害者は動き ようがないもの。人間関係が希薄になってきているといわれますが、みんなに 広めて助け合って、お寒い社会全体に幸せスパイラルをつくりましょう!


★参考 「DV防止法案骨子」発表
 http://www.neaccess.net/~rhouse/frameset.html
 今年の1月31日、参議院共生社会に関する調査会「女性に対する暴力に関するプロ ジェクトチーム」からDV防止法案骨子(概要)が発表されました。 法律の名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案」。