【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆「安心を安心して買う」ために
○ 10/27 ○ 栄田育子(CFP)

 高原さんが火曜日に書かれた生命保険会社の破綻問題。

 いざというときの安心を買っているはずの生命保険なのに、こんなに潰れら れては正直言ってかないませんね。特に千代田生命と協栄生命は個人的には契 約していなかったのに、職場の団体保険の契約先になっていたというケースも 多いようで、自分の知らないところで自分に影響が及んでいたという泣くに泣 けない状況になっている方が多いと聞いています。

 相次ぐ破綻に自分が加入している生命保険会社は大丈夫だろうかと思ってい らっしゃる方もたくさんいらっしゃることでしょう。そこで、今日は「安心を 安心して買う」ために知っておくべきことを勉強しましょう。

 生命保険会社の安全度を示すのによく使われるのが、「格付け」と「ソルベ ンシーマージン」です。今年に入ってから相次ぐ破綻で生命保険会社に関する ニュースが新聞や雑誌をにぎわせているので、この2つの言葉は目にしたこと がある方も多いと思います。

 「格付け」は、一言でいうと「お金を払える能力」のことです。

 生命保険会社の格付けは、生命保険会社が保険の加入者に対して何らかの理 由で保険金を支払わなければいけなくなった時、どれだけ確実にその支払いが なされるかという保険財務力を、格付け機関と呼ばれるところが、おなじみの アルファベットで表示したものです。スタンダードアンドプアーズやムーディ ーズといった格付け機関が有名ですね。Aが多いほど保険財務力が高いという ことに関してはすでにみなさんがよくご存知のことだと思います。

 今までの生命保険会社の破綻を要約したウェブサイトを見つけたのですが、 このウェブサイトによると、格付けがBB近くになると破綻は近いと言えそうで す。
  http://www.westernvillage.co.jp/seiho.htm#se02

 自分が契約している生命保険会社の現在の格付けがどうなっているか確かめ て見ると言うのは一つの方法です。例えばスタンダードアンドプアーズの格付 けはウェブサイトで簡単に調べることができます。

  http://www.standardandpoors.com/

 もう一つ、生命保険会社の安全性を把握するために使えるものが「ソルベン シーマージン」(solvency margin)です。これも、保険金の支払能力を示すも のですが、格付けと違うのは生命保険会社自身が計算して公表するという点です。 「ソルベンシーマージン」の詳しい定義はウェブサイト(*)に譲ることにして、 使い方を書きましょう。

 ずばり、「パーセンテージ(%)が高い会社ほど安心できる」と言えるのです。

 ソルベンシーマージンが200%を下廻ると金融監督庁からお咎めを食らうの で、言いかえれば200%を上回っていれば一応安全とみなせるのですが、冒頭で 挙げた千代田生命と協栄生命はどちらも200%を上回っていたのに破綻しました。 したがって、200%をちょっとぐらい上回っていても安心できないと言えるので す。お役所が定義している指針もあてにならないってことですね。

 というわけで、結論はきわめてシンプルです。

 ・格付けとソルベンシーマージンが高い会社の保険を選ぶ

 ・もしどちらかが思わしくなければ(だいたいどちらかが良くないときは、もう片方も良くないはずなんですが)、早いうちに手を打つ。養老保険や年金保険はたいてい破綻で痛い目にあうものなので、傷が小さいうちに解約するというのも一つの手

 ・ただし、闇雲に解約するのも考え物。医療保険や定期保険を解約して加入し直すのなら、新たな加入手続きが完全に済んでから解約する

 「安心を安心して買う」ために、日ごろから情報収集に努めましょうね。

(*)http://www5a.biglobe.ne.jp/~aflac/jigyo/yogo.html#Q8