【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆「G7」って・・・。
○ 2/23 ○ 深川悦子(AFP)

 2月17日、イタリアで行われていたG7財務省・中央銀行総裁会議が 閉幕しました。 中でも、新聞記事などにデカデカと取り上げられた今回の共同声明には 「日本の物価下落に対する懸念」が声明として発表されていました。

 これって、ひらたくいうと "日本の物価が下落を続けることによって 景気が後退するおそれがあるので改善しなさい" ということなんですね。 なぜ物価が下落すると景気が後退するのか…。これは9/15の鹿野さんの コラムに詳しく書かれていますのでそちらをご参照いただければと思いま す。
http://www.mylifenavi.net/fri_column0915.html


 さて、毎年このようにG7で様々な議論がなされているわけなのですが、 このG7とはそもそも何を指しているかはおわかりでしょうか? これは一般的に首脳会議に参加する国の総称を「Group of seven」とい い、G7とはその略語としてよく用いられる言葉なのです。

 ただし、注意していただきたいのは数字の「7」の部分は常に同じとい うわけではないというところ。 九州・沖縄サミットでは「G8」といわ れていましたよね? そうなんです。この数字が変化しているのはその会議に参加する国の数 を指しているのです。

 よく用いられる略語の参加国詳細は以下のようになります。

 ・G7・・・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ
 ・G8・・・別名「G7+1」とも言われ、ロシアが入ってきます。
 ・G5・・・G7の"イタリア・カナダ"が不参加の会議を指すこととなります。

 G5とは最近ではあまり耳にしないのですが、あの有名なプラザ合意 (*)はこのG5が合意をしたものです。


 このように先進国が集まって、国際金融や貿易、環境問題などを話し 合うことにより世界情勢の不均衡の是正を行おうとしているのですが、 この会合には一つ問題点があるんです。

 それは、この会議で採択された内容には特別な強制力がないというこ となのです。 ですから、いくら有意義な内容を話し合ったとしても、参加各国がお 互いに納得し協力しなければ実現されないことがでてくるのです。

 その上、昨今のグローバル化によってG7だけでは不均衡の是正が難 しくなってきました。 ですから、最近ではG22といわれるアジア諸国なども加えた会議も 行われるようになってきています。

 となると、またしても問題が増えてしまう…。

 参加国が増えれば増えるほど、各国の利害関係が複雑に絡み合い合意 が難しくなってくるのは当然といえば当然の話。 例えば、A国は為替が高いので協調介入してほしいと訴えても、B 国は現状を維持した方が景気が良いと判断すれば合意は成立しませんよ ね。 このように一つ一つの利害が絡まり出すとなかなか話がまとまらなく なるのです。

 でも、話がまとまらないからといって、そのまま各国が自分の好き放 題にしていてはそれこそ何の解決にもならないですよね。  ですから、世界中の人たちが安定した生活を送るためにも、やはりこ のように各国同士での話し合いは必要となりますし、願わくば各国の利 益も大事ですが全世界を視野に入れての相互理解のできる話し合いを期 待したいところです。

 私たち主婦も遠くの国の話だからとニュースを聞き流すだけではなく、 いろんな視点から見た日本という国を確認するためにも、G7などの会 議で話し合われた内容には細心の注意を払っておくといいのではないで しょうか?


 (*)プラザ合意・・・ニクソンショック、レーガン政権による経済 の失態により国際通貨としてのドルの信頼性を失いつつあった相場への 安定を狙ったG5の共同合意。この後、ドル高を適度に改善するために 各国による為替市場への協調介入が行われた。