【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆みんなハッピーくるくるリサイクル社会?!
○ 2/09 ○ 西島直子(AFP)

 最近といいますか、ちょっと、いやだいぶ前からか、テレビの調子がいまひと つ。

 今までのテレビの壊れ方といえば、グリーン一色の画面になってしまったとか あっさり諦めのつく壊れ方だったのですが、今回はどうも違う。たまに、画像が 真ん中に圧縮されてしまうというものです。そして、電源を入れ直すと直ったり するから不思議です。

 ですから、ちゃんと見れるかどうかは、テレビの気の向くままといったところ でしょうか。大事なドラマなんかある時は、こちらも必死です。
 「お願い、もうちょっと頑張って!」
こんな願いも届かず、いい場面で本格的に調子が悪くなると、さあ大変。馬にム チを入れるように一発ガツンとお見舞い。手荒い仕打ちながら、大抵ご機嫌を直 してくれます。

 まあ、最悪はビデオ録画という奥の手があるので、こちらの方が一枚上手のつ もりですが・・・。

 こんな感じでいつかはいつかはと思いつつ買い替えを先延ばしにしてきたので すが、「家電リサイクル法」が今年の4月からスタートすることになりました。 当然我が家のテレビも対象に!

 この「家電リサイクル法」、市場調査で6割程度の人が認識しているという結 果が出ているのでご存知の方も多いと思いますが、製造元である家電メーカーに、 エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4品目の製品の回収・再商品化を義務づけ ているものです。

 リサイクルは全体的にみて環境にやさしいため歓迎なのですが、このリサイク ル費用は消費者負担です。やむを得ないと思いつつも、リサイクル費用が結構高 い!  まず「リサイクル料」として、一番高い冷蔵庫で4,600円、一番安い洗濯機で 2,400円。これにさらに、リサイクル料に含まれていない、自宅からメーカーの リサイクル拠点までの「収集・運搬料」があります。お店や市町村で異なります が、予定では3,000円前後とのこと。総額で最低でも5,000円はかかりますね。

 お金を払ってリサイクルとなると、やっぱりそこで問題となるのが、個人面か らみれば不法投棄。例えば、悪質な便利屋や引越し業者が、引越しの時に出る家 電ゴミを処理費用を請求できないまま、山林に捨ててくるということもありえそ うです。

 リサイクルについてリードしている海外をみると、消費者負担に変わりはない ですが、台湾ではリサイクル産業が成り立つほどリサイクルの仕組みが出来てい ます。
家電メーカーが拠出する補助金の制度を上手く使い、収集拠点業者、回収業者、 リサイクル工場のどの地点でも損をしないよう金額が決められ、分配されている のです。そして、家電メーカーは一応製品価格に上乗せする形で消費者からリサ イクル費用をもらうということになっています。

 これですと、最初にリサイクル費用を確保し、それを補助金として順に流す形 になっているため、リサイクルの流れが崩れることはなくなりますね。消費者は 購入時に費用負担をしているので無料で回収してもらえますし、回収からリサイ クルを担当するそれぞれの業者は廃棄家電を集めれば集めるほど補助金が受けら れる仕組みになっているからです。アメの配り方が上手いのです。

 日本の場合は、消費者個人にリサイクルの主導権を渡してしまったため、収集 拠点業者、回収業者である家電メーカー、リサイクル工場とも高い回収率を保て ない場合、事業が成り立たずリサイクル推進が悪循環に陥ることも考えられます。 個人にとっても不公平な費用負担、モラル欠如による環境破壊などで、ダブルパ ンチを受け、生活環境の悪化につながっていきます。これでは、みんながアンハ ッピーですね。

 リサイクルに関わらず、何かが成功する秘訣としてみんながハッピーになる仕 組みが欠かせません。台湾のリサイクルの仕組みにもこの要素があります。日本 でもこの家電リサイクルに当てはめることができたら、リサイクルが進み循環型 社会への改革が期待できると思います。
ひとりひとりの環境に対する意識をもっと高めていくことによっても可能になり ますが、より効果の高い良い循環を生むために、仕組みが早いうちに見直される ことを期待したいですね。


 さて、今住んでいる地域では、我が家のテレビは小さいので粗大ゴミに該当せ ず、不燃物ゴミとして処分できるとのこと。つまり、今年の3月末までなら、引 き取って処分してもらう費用はゼロ。残り2ヶ月弱のラストチャンス?!

 それでも悩むのは、愛着のあるテレビだから。調子の悪くなる度に新しいテレ ビに買い換える話をすると、何故だか見違えるように調子がよくなったりします。 テレビって、人の心移りが分かるの? 調子のいいテレビ! と思いながらそん なところも憎めず、リサイクル店でも取り扱ってもらえない思い出のいっぱい詰 まったテレビと暮らす日々がいつまで続くのやら。

 部品一個直すだけで、テレビが直るならそうしてもいいのですけど。メーカー は修理部品の保有期間がたぶん切れているので見てくれないでしょうし、おもち ゃの病院じゃないですが、話には聞く電気製品を見てくれるどこかいい病院近く にないかなぁ。