【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆ゲームがヘルシーになる日
○ 2/02 ○ 栄田育子(CFP)

 何をいまさら?と言われそうですが、栄田家は半年ぐらい前に プレイステーション(PS2ではない)を買いました。それまでテレビ ゲームには一切興味がなかったので、結婚したときダンナが持っていた スーパーファミコンはソフトもつけてタダで人にあげてしまったくらい。

 国民的にテレビゲームが流行っているのに、栄田がまったく興味が なかった理由は単純でした。時間を無駄に使ってしまいそうだし、 そうでなくても運動不足気味の体が余計運動不足になってしまいそうな イメージを持っていたからです。以前一度あるゲームにチャレンジして からきしうまくいかなかった経験もゲームを遠ざけている理由でした。 しかし、そんな栄田がプレステを買おうと思った理由もいたって単純 だったのです。

 もうだいぶ前になってしまったけれど、ダンス・ダンス・レボリュ ーション(DDR)が大流行しましたよね。音楽と画面の指示にしたがって 足を動かすってやつです。当初はゲームセンターにしかなかったけれど、 やがてプレステ版ができて家庭でもできるようになりました。で、 これを家庭でやってダイエットに成功したという知人の話を耳にしたのです。 不健康なイメージを持っていたテレビゲームが、あながちそうでもない らしいと思いはじめたというわけ。たのしく体を動かせるというのも 魅力的でした。

 前置きはこれぐらいにしましょう。いまや日本のゲームはハードもソフ トも世界全部が市場という一大産業です。つい、先ごろPS2が海外で発売 されたらいきなり品不足になったと話題になりましたね。

 しかし、そのゲーム市場にも陰りが見え始めたようです。  先ごろセガがドリーム・キャストの生産を中止すると発表したし、最近 爆発的に売れているゲームソフトの話題もあまり聞かないような気がします。

 そんな中ゲーム産業で今週意表を突くような発表がありました。  DDRを作ったコナミが、サティでおなじみのマイカルグループ傘下に あるピープルを買収すると発表したことです。ピープルは「エグザス」と 言う名前で有名なフィットネスクラブを経営する会社です。「なんで、 ゲーム作っている会社が、フィットネスクラブを買収するの?」と 思った方も多いのではないでしょうか。

 実はこの買収、両者にとってメリットがあるようなのです。

 まず、コナミにとって。フィットネスクラブに、コナミが今まで作って きたゲームソフトの技術を導入することで、新たな市場が生まれます。ゲ ームの利用者の層を広げるといってもいいかもしれません。今までゲーム にあまり親しんでこなかった年齢層にお客様になってもらえる可能性があ ります。

 そして、ピープルにとって。というよりも、マイカルグループにとって と言った方がいいかもしれませんが、資産の売却が効率いい方法によって 可能になり、リストラ策の一つがうまく運んでいると思います。フィット ネスクラブにとってもメリットがあるでしょう。たとえばゲームを上手に 利用してインストラクターをゲーム機にやってもらうことができれば、人 件費をかけずに経営できるかもしれません。あるいは、ゲームのエンタテ イメント的要素を生かして、楽しいフィットネスプログラムを作れば、集 客効果も期待できるでしょう。

 一見、妙な取り合わせだと思えるこの両者は実は相性がいいのかもしれ ません。言いかえれば、ゲームはゲームだけでは、フィットネスクラブは フィットネスクラブだけでは事業展開の幅が狭くなってきているのだと思 います。今後は、今回のコナミとピープルのような異業種の組み合わせが 増えて行くことでしょう。

 さて、栄田家もゲームでヘルシーになる予定でしたが、結局「みんなの ゴルフ2」でキャラに運動してもらって満足しております。我が家にDDRの コントローラが来るのは一体いつのことやら...。