【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆「ごきげんとり政策」は誰のせい?
○ 9/22 ○ 深川悦子(AFP)

 みなさんご存じ「ちびまる子ちゃん」に登場している、学級委員のまるお君。

 学級委員になるために、日々クラスメイトの行動に目をくばり、困った人を助 けたあとに、「次の学級委員も、ぜひともわたくしにっ!」と必ずお願いをして から去っていきます。

 私は、まるお君を見ていると「そういえば、クラスに一人はこういう子がおっ たよな(笑)」と思い出し笑いをしたり、「今時の小学生にも、こういう子がい るのかな?」とも考えたりするときがあります。

 しかし私の頃とは違い、今どきの小学生から見ればまるお君みたいな子は、た だの『イケてない』ヤツと思われているかもしれないですね。時代の流れととも に子供たちの感性も変わりつつあるのは当然のことかもしれないのですから。

 さて、子供からみた『イケてない』ヤツと思われるような行動をとっている人 間は、子供の世界の話ではなく、大人の中にまだいるんですよね。誰のことだか わかりますか?

 それは、国民の代表であるはずの一部の政治家たちです。

 最近では、来年の参議院選挙を意識して与党三党(自民・公明・保守)から先 月末に提出された、233の公共事業中止の検討リスト、いわゆる【公共事業の 見直し】が話題になっていますよね。

 この公共事業の見直し、別名「ごきげんとり政策」は、国民にはどのように評 価されているのでしょうか。実は、あまり良く評価されていないのが現状です。 なぜ、評価されないのでしょうか。それには何点か原因があると思われます。


 ●事業見直しリストが、本当にいかされるのか?
 (また口だけじゃないの?)

 ●このリストには、問題とされている公共事業が掲載されていないから。
 (結局、重要な問題はさけているよね。)

 ●選挙前の有権者に対するパフォーマンスのようだから
 (票が欲しいだけなんでしょ?)


 当然の話ですが、誰だって自分にとって良いことをしてもらえると嬉しいもの です。しかし政治家は「素人にはなにもわかるまい」といわんばかりに、一部の 人に対してのみ利益を与えるとんでもない政策をかかげていることがしばしばあ るのです。

 例えば、「ダム問題」。

 生活用水の必要性がない地域に治水だなんだのとダムを作り、ゼネコンに資金 を与えるためだけの意味のない事業を「公共事業の見直しリスト」にも入れず、 今後の事業予定として組み込んでいるのです。

 まさに、旧体制の景気底上げ策です。こんなことで、本当に景気が回復するの でしょうか? 多分、しないでしょうね。そうなると、これは完全な【税金の無 駄づかい】。ホント、耳にタコができそうなくらい良く出てくる言葉ですよね。

 日本という国は、災害や対外の危機管理に対して即座に対応できない国といわ れています。こういうことに税金を使うとなると、国民からは文句は出ないだろ うし、内閣への信頼感も上がると思うのですが…。

 とにかく、そういうことに対してのアクションは遅いのに、何十年も前に計画 されているダム建設にはたくさんの税金を投入し確実に着工する。はぁー、なん とも情けない話です。

 一体、税金をなんだと思ってるんだっ!!!

 …と、政治批判をつらつらと書いていますが、私が言いたいのは本当に政治家 だけが悪いのか?ということなのです。

 今、政治家を国会に送っているのは誰なのかということを、あらためて考え直 さなければならない時期が来ているように思います。

 選挙前に間の抜けたごきげんうかがい政策を発表し、必死に票を集めようとし ている一部の政治家や政党。そして、その見せかけパフォーマンス政策に、わけ もわからず踊らされている有権者。

 これでは、どっちもどっちです。何事も人任せじゃぁ、私たちが良いと思う生 活はできません。私たちは、どの政党がどんな政策や提案を出しているかチェッ クするくらいの努力が必要なのです。

 どうやってチェックするのか、ですって?

 簡単なことなんですよ。インターネットを使えば、各政党のHPを見ているだ けで何をしようとしているのか、だいたいのことはわかります。小難しい書き方 をしていれば、その政党にE-mailでもっとわかりやすく説明してくださいと書い て送ればいいんです。

 もしそのとき、イイカゲンな答えを送ってくるようであれば、その政党はその 程度だということなんです。

 どうです? いたって簡単なチェック方法だとは思いませんか?

 政治家は有権者に選ばれ議員となり、国民の代表として国会に出ています。で すから政治家を責める前に、その代表を選ぶ私たちが、もっと責任を持たなけれ ばなりません。

 そうすれば、いずれは政治家や政党が『イケてない』パフォーマンスをとるこ ともなく、私たちが本当にのぞむ政策だけが国会で討議される日がくることでし ょう。