【主婦FPの視点】経済ニュースなんてコワくない!


◆円高円安とは?
○ 8/25 ○ 深川悦子(AFP)

 こんにちは。深川です。火曜日のコラム同様、金曜日のコラムも担当させて頂 くこととなりました。どうぞ、おつきあい下さい。

 8月24日の朝刊に「円対ドルで上昇圧力」と言う記事が新聞の一部に出てい ました。

 この記事を見て、私はふと思い出したことがあります。ある日の話、私は旦那 と一緒に知人の家で、テレビを見ながらたわいのない話をしていた時のことです 。テレビを見ていると…「本日の為替相場は、108円45銭。1円10銭の円 安です。」と言うようなことを言っていました。
 それを見ていた知人は、「ねぇ?1円10銭の円安って言うことは、昨日は一 体いくらだったの?これって大変なことなの?」と私に聞いてきました。
 円安と円高のだいたいのことは理解出来ていても、ニュースでこういう表現を されるとちょっとわかりにくいと感じたようです。

 確かに、数字だけで「何円何銭の円高です。」と言われても、「だから?」と 言うことになるのだと思います。

 円高と円安のメリットデメリットは、物価で見るとよくわかります。
 「1$100円」が前日の終値としますね。すると、1$の商品を100円で 購入できると言うことになります。
 これが「1円の円高」となると、1$の商品が99円で購入できる。どうです か?1円安く商品を購入することが出来ますね。
 逆に、「1円円安」になってしまうと、1$の商品が101円になってしまう 。

 「円安なのに、高くなっているし、円高なのに、安くなっているよ?」そうな のです。
 物価でみれば、円安の場合、商品が高くなってしまうのです。
 100円で購入出きるはずのものが、101円出さないと購入できないと言う ことは、1$に対する円の価値が1円下がったと言うことになります。これを、 円がドルに対して安くなったと言う風に表現します。円高は、この逆です。

 円安円高とは、対外貨に対しての、円の価値を意味するのです。誰だって、商 品は少しでも安く購入したいものですよね。私だってそうです。それじゃぁ、円 高は日本にメリットばかりを与えるから、円安は良くないの?と言うことになっ てしまいますが、そうとは言えないのです。

 円安がもたらすメリットは、円の価値が下がったことによる、「輸出」の潤滑 剤となるのです。アメリカに輸出をしている企業などは、円安になることにより 、本来100円でアメリカ企業側に購入してもらっていた商品が、101円で購 入してもらえることとなり、日本の企業としては、利益が出てきます。

 ちょっと話はずれますが、このような輸出産業を柱にしている企業の株価は、 円高になると、輸出利益が下がるのでは?と嫌がられて「嫌気売り」と言う現象 が起き、株価が一時下落してしまいます。
 逆に円安になると、輸出利益が上がると見込んで「期待買い」と言う現象が起 き、株価が一時上昇します。

 輸出企業に関しては、円安と言うものは、利益を挙げる要因をもたらす、良い 現象の一つとなります。
 円安が、輸出企業にとって、良い現象であるのならば、輸入企業はどうでしょ う?ご想像の通りです。輸入企業にとっては、輸出産業とは逆に、海外の商品を 安く出購入できる円高が良い現象となるのです。

 円高も円安も、双方にメリットやデメリットがあります。円高だから、良くな いとか、円安だから良くないと言うようなことは一概には言い切れないのが本当 のところ。
 しかし、現在の企業間取引では、海外企業との場合、リスクヘッジとして、あ る程度の期間の為替価格を協定して、いつからいつまでは、1$何円で取り引き しましょうと言う契約をしているので、日々の為替の動きが大きく影響を及ぼす わけではありません。

 今回は、対ドルを例に挙げて、お話させていただきましたが、外貨はドルだけ ではありません。
 しかし、他の外貨でも、円高円安に対する考え方は同じなので、このような話 を頭に入れながらニュースを見てみると、タダの数字だったものも、違った角度 から見ることが出来るかもしれませんね。